2011年04月16日

かなり感覚的に計算したら、30年後には毎年500人がんで死ぬ勘定

「良くわかんないけど、ぶっちゃけ、どんだけからヤバいの?」っていうのが多くの人の意見だと思うんですよね。このあたり、感覚的なものだから、みんなに納得してもらうのは無理なわけで、そこを無理やり(笑)考えてみます。

えっと、100ミリシーベルト被爆するとがんになる可能性が10%アップ、10ミリシーベルトでも、影響は見られる、ということなので、「じゃぁ、10ミリより少なくしようよ」というのが僕の考え。え?「何もしてなくても、年間2.4ミリシーベルト被曝しているんでしょ?4年で約10ミリじゃん」と思ったあなたはなかなか鋭い。でもね、そのおかげで僕達はがんになるんだよ。きっと、総量はなるべく少ないほうが良いはずだ。もしかしたら、毎年被曝している放射線量が0だったら、僕達の平均寿命はもっと長いかも知れないんだ。いや、きっとそうに違いない。「日頃浴びているんだから、そのくらいはオッケー」というのはちょっと話が違うはずだ。

ということで、個人的に、「生涯でエキストラ(追加、おまけ)な放射線の被曝量は10ミリシーベルト以下にしたい!」って決めました。

では、生涯で『エキストラに』(←これ大事)10ミリシーベルト被曝しないためには、どのくらいがしきい値になるでしょうか。これ、残りの人生の長さによって変わってきます。ということで、女性は寿命85歳、男性は80歳として計算してみます。

各年齢とも、男、女の順で書きます。単位はマイクロシーベルト毎時です。

60歳 0.0571 0.0457
50歳 0.0381 0.0326
40歳 0.0285 0.0254
30歳 0.0228 0.0208
20歳 0.0190 0.0176
10歳 0.0163 0.0152
 0歳 0.0143 0.0134

うわ、結構タイトじゃないですか。この数字だと、東京、だめですよ。大体、東京で原発事故前と事故後で0.04マイクロシーベルト毎時ぐらい大気放射線量が増えてます。

出典:都内の環境放射線測定結果

「いや、俺はがんの発生率が10%アップぐらいならなんでもねぇぜ」っていう人は、全年齢で大丈夫です。単純に、上の数字を10倍して、増加した放射線量と比較してください。都内なら0.04マイクロシーベルト毎時です。0歳でも0.14シーベルト毎時前後になりますから、全然問題ありません。

100ミリシーベルトでがんの発生率が10%アップだから、ざっくり計算して、10ミリシーベルトならがんの発生率は1%アップ。東京都のがんの患者数は平成18年で約3万人(東京都福祉保健局)とのことなので、今回の事故のせいで、年間300人増えることになります。いや、「CT撮ったら1回で7ミリシーベルトですよ」っていうのはわかります。でも、それは必要があってのこと。必要なければCTなんか撮らないもん。今回は、原発がぶっ壊れなければ浴びなかったはずの放射線。どうも納得行きませんね。それから、東京でこの数字だから、多分福島や茨城の人はもっと納得行かないと思いますよ。

東京都が人口1000万人なら、今回の対象地域はどんなもんだろう。試しに3000万人としてみます。これならがんの増加数は900人。原発の近所ならもっと増えるから、ざっと1000人ってことで。このうち半数が手術の甲斐なく死んでしまったとすれば、死者は500人。え?毎年500人が死ぬ勘定ですか?これって、結構な数だと思うんですが・・・・30年後くらいから、毎年500人、がん死者数が増える・・・と。あ、でも、30年経ったらセシウムの放射線量、半分ですね。でも、面倒だからいーや。とりあえず、あんまり長くいないほうがいいぞ、ということで。

「影響ない」なんてこと、ないじゃーん。あ、「ただちに」でしたね。逆に言えば、東京は20年ぐらいまでなら大丈夫です。20年住むと、7ミリシーベルトの被曝です。セーフ。ちなみにCT一回分です。


この、CT一回分っていうのが、判りやすそうで、実は罠ですよね。CTだってそこそこヤバイよ、という話であって。長生きしたければ東京に長いこといることも、CT撮ることもやめておけ(必要ないなら)、ということのようです。もちろん、茨城は東京よりヤバいし、福島はもっとヤバいはずです。

#ちなみに僕はCTを何度か撮ってます。次からMRIにしよーっと。だって、CTって、300回ぐらい連続撮影すると5%の人が死ぬんですよ。CTやべぇ(うわ、医者に怒られそうだ。もちろん、必要があるなら撮らなくちゃだめですよ!)。

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