「ゼロリスク幻想」とソーシャル・リスクコミュニケーションの可能性 山口浩
微妙な記事。内容は正しいのに、冒頭で「風評被害」についてきちんと定義せず、むしろ広義に捉えて朝日新聞の主張する「風評被害」を受け入れているように書いてしまっているのが惜しい(後半まで読むと、筆者のスタンスは必ずしもそうではないことがわかる)。「深刻な風評被害」の段落をなしにすればもっと良い記事だったのに。
「御用学者」とは誰のことか 西田亮介
別にとりたてて新しいことが書いてあるわけでもなく、どうということもない記事。なぜくだらなくなってしまったかといえば、「「御用学者」とは誰のことか」と大上段にふりかぶったくせに、最終的に著者なりの「御用学者」の定義付けが行われなかったから。「そんでもって、斑目は御用学者なのかよ?そうじゃないのかよ?」という質問に対する回答が用意されていない。
そもそも、学者の仕事とは何かって、科学的な事象や社会的な事象を観察し、自分の考察を詳らかにする人のことでしょ。考察にあたって、「このお金は役所からもらったから」とか言って内容を変えたり、都合の悪いことに言及しないのはおかしい。学者は、データに対して謙虚でなくちゃ。そうじゃない学者はクズだし、データに対して謙虚じゃない場合、その理由が自分単独のエゴなら捏造者、理由が権力者であれば御用学者、ってことだよね。