2011年05月10日

奇跡

kiseki


Yahoo!のレビュアー試写会に当たって観てきた。

前もっての知識は何もなく、僕はテレビをほとんど観ない人間なので、まえだまえだすら知らなかったのだけれど、素直に楽しめた。

一言で言ってしまえば「子供の映画」で、観ていて「そういえば子供の頃はこうやって何かといえば走り回っていたよなぁ。ちょっとしたことが全て冒険だったよなぁ」と懐かしくなる。

7人の子供たちの活き活きとしている具合が半端ではなく、彼らの会話に全く不自然なところがないのが凄い。子役のポテンシャルと、それを引き出した大人たちの努力の結晶という感じ。子供を中心にした映画は日本映画の中ではほぼ鉄板のワイルドカードだけれど、そうした中にあっても相当に質が高いと思う。

まず、周囲を固めている大人たちが物凄くしっかりしている。橋爪功、阿部寛、大塚寧々、長澤まさみ、オダギリジョー、夏川結衣といったところを惜しみなく脇役で使っているところが凄い。特に橋爪功、オダギリジョー、夏川結衣は良かった。そして、脇をしっかりと固められた中で、子供たちが走りまわる。彼らのセリフのひとつひとつがとても良く出来ていて(台本には書いてないものが多かったらしい)、子供同士の会話、子供と大人の会話がそれぞれに楽しい。

何か大きなドラマがあるわけではない。「奇跡」というタイトルの由来はすぐにわかるけれど、映画の中の奇跡はちょっとわかりにくい。ただ、なんでもない日常の中にちょっとした奇跡はそこここにあって、そんなものの中で生きているということを気づかせてくれる。そういう意味では、面白かった頃の(説教臭くなる前の)宮崎アニメのような雰囲気を持った映画だと思う。そうか、「ラピュタ」とか「宅急便」とかを観てわくわくしていた気持ちを、アニメでも、SFでも、ミステリーでも、ファンタジーでもなく、普通の実写にするとこうなるのかも知れないな、と感じた。

九州新幹線とか、桜島とか、いくつかの味付けはある。大人の役者たちも凄い。でも、この映画の主役は間違いなく子供たちだし、その子供たちの様子を物凄く丁寧に映画にしたことを賞賛したい。

個人的には「孤高のメス」で凄く良かった夏川結衣がこちらでも良かった。合コンしたい。

以下、余談。今回は監督のティーチイン付きだったのだけれど、司会の笠井さん(ですか?フジテレビのアナウンサー)が最悪。会場の意見を吸い上げる役どころのはずなのに、ことごとく自分のところに我田引水して、まるでアナウンサーが一人で監督にインタビューしている感じ。特に、何かと言うと3.11の地震に結びつける姿勢に辟易とした。映画とは全然関係ないじゃないか。典型的なKYである。こういう、押し付けがましくて、かつ会話型のコミュニケーションの取り回しが苦手な人は、テレビカメラに向かってしゃべっているべきで、観客がいるところには出てくるべきではない。ティーチインを台無しにしたのはもちろん、映画の印象すら悪くなった。あと、この人「とらまえる」っていう言葉を使ったけれど、これ、何なんだろう。つかまえる?とらえる?日本語ですか、これ。

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