2011年06月14日

スカイライン-征服-

良くあるディザスターものの映画。この手の映画で面白いものって滅多にないのだけれど、技術的には凄いので、これも凄いんだろうなー、と、いい加減な期待を持って試写会に向かった。

ハイドラックスの映像はさすがに凄く、冒頭からうひゃーという感じではある。が、驚きは冒頭の10分ぐらいで終了。すぐに慣れた。いきなり同じようなシーンの巻き戻しがあったり、特撮の節約か、せっかく窓の外に凄いものがあるのにみんなブラインドを閉めちゃう。そうすると、映画はただの屋内劇になってしまってしまう。何だコリャ、演劇みたいに、同じ場所でずーーーっとやっている。折角主人公が「外に行こうぜ」って言うのに、ヒロインが「嫌だ、私はここにいる」と駄々をこねるので、ずっと室内。だから、制作費が安く済む。お前はプロデューサーの回し者だな?今度は「外を見てみよう」とブラインドを開けようとする。するとおじさんが「見るな」と言う。お前もプロデューサーの回し者だろっ!それで、こいつは一人で望遠鏡を使ってこっそりのぞき見ときたもんだ。独り占めすんなよ!バーンと窓を開けろよ!とっとと外に行けよっ!

それで、ようやくオープンカーで颯爽と外に飛び出したら・・・・これはネタバレなので書けませんが、とにかく徹底した特撮拒否(笑)。

でもまぁ、室内シーンが退屈だっていうのは制作サイドもわかっているのか、早送りにしてくれる心配りが素晴らしい。おかげで映画はどんどん短くなる。しかし、考えてみたら「9時間前」のシーンは全然要らないよな。でも、それがなかったら60分の映画になっちゃう?いや、むしろ、それでも良いと思うよ。

脚本は物凄く制作者に親切に出来ていて、あぁ、これは費用が安く上がるよなぁ、という感じ。特撮は少ないし、ロケは少ないし、登場人物も少ない。これで儲けて、続編で本気を出す作戦かも知れない。というわけで、映画としては見るべきものはほとんどなく、終了したときには場内から大きな失笑が漏れた。こりゃあないんじゃないの?というのは多くの人の感想だと思う。でも、これ、物語を見せる映画じゃないよね。おらおらおら、俺たちの視覚効果ったらこんなだぜ、ゴジラよりも、スターウォーズよりも、マトリックスよりも凄えんだぜ、という思いはビシビシ伝わってくる。ただ、その目的にしては90分は長すぎ。頑張っても60分、いや、これなら45分で行けたはずだ。

それにしても米国人って、どうしてああいうごちゃごちゃっとした造形が好きなんだろう。あと、触手。

米国映画っぽく、最初から最後までうるさく音が鳴り続けるので、ストーリーが単調で退屈でも眠たくなることはあまりない。と言うか、実際には眠くはなるんだけど、すぐに大音響でこちらの世界に呼び戻してもらえる。

全三日の映画なのに二日目まででほとんど勝負がついてしまい、さぁどうなるんだろうと思ったら、そこで予算が尽きたみたい。おいおいおいおいおい、これで終わりかよ、みたいな?ただなら観ても良いと思う。あ、僕は試写会だったのでただでした。でも、こういう映画を観ておくと、映画ファンとしてのレベルがひとつ、確実に上がるんだよなぁ(笑)。試写会で観ることができて本当に良かった。

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