2011年06月18日

ビューティフル

ニッショーホールでの試写会で鑑賞。

スペインを舞台にした人間劇。余命2ヶ月を宣告された男が残された時間をどうやって生きて行くかを描いている。

と書くと、「そういう映画は色々あるよね」ということになるのだけれど、この映画の特色は場所がスペインであること、主人公が社会的弱者であり、かつスペインの裏社会で違法行為を続けながらなんとか生き延びていること、迷っている死者の霊を冥界へ導いてあげる特殊能力を持っていること、躁鬱病(最近は双極性障害って言うんだっけ?)で別れた妻がいること、その妻と怪しい関係の兄貴がいること、小さな子供を二人育てていることなどがある。こうした設定が映画そのものを他の作品と差別化しているのだが・・・・・。

裏社会の住民と言っても根っこのところはそこそこ善良であり、生活のために仕方なく違法行為を続けている。そして、死んだ直後の霊との会話によってお小遣い稼ぎをしていて、すぐ身近に「死」を感じながら生きている。彼のちょっとした善意は地獄への道を舗装していて、思わぬ大事件を引き起こしたりもする。そんな主人公が、自分の死を目の前につきつけられ、それを受け入れていく様を静かに描いている。

主人公の死を介して、主として親子の絆を描いているのだけれど、あまり明るい部分がなくて、画面からだけではなく音でも不安な気持ちを駆り立てる部分があり、生理的にはすっきりする部類の映画ではない。万人受けする感じではないので、ヒットはしないと思うけれど、しばらくしたらもう一度観てみたい映画ではある。

タイトルは本来Beautifulと綴られるべきところをBiutifulとしているわけで、確かに展開されるのは偽りの美しさだったり、真の美しさに繋がらない善意だったりする。そのあたりが悲しい。

ハビエル・バルデムの演技は見事だったと思う。

以下、ネタバレなので追記に。



ラスト、イヘはどうなったんだろう、と考えてみた。最初は、帰宅したときに天井に例の奴がいたので、あぁ、大金を持ってふらふらしていて強盗に殺されたのかな、と思ったのだけれど、よーーーーく考えてみると、そんな状態じゃぁ安心して天国になど行けやしない。だから、多分イヘさんはちゃんと戻ってきてくれたんだと思う。

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