2011年08月15日

Twitter後のネット社会 番外編 その10 芦田宏直氏の講義の事例

芦田宏直氏の「近代主義と心理主義と」という講義に参加したことにより、Twitterをやっているだけではわからない「フラッグマン」(=芦田氏)と「信者」を直に見てくることができました。その直後の感想はここに書いたとおりです。

「近代主義と心理主義と」

芦田氏は以前、私の「Twitter後のネット社会」について次のように述べました。

微分論を取り上げないで、信者論に徹するのはずるいなぁ。しかもこの「信者」論、間違ってるし(笑)。 そもそも1万人程度のフォロワーで信者も何もないよ。


では、私の信者論はどう間違っているのでしょうか。私が書いた「フラッグマン」と「信者」の定義は次のようになります。

フラッグマン
様々な意見を一次情報として発信する人。堀江貴文氏、勝間和代氏などの文化人が代表例。フォロワー数が多いのが特徴。時に批判的になることも特徴で、基本的に他者に迎合しない。Twitterを自己のブランディングに利用している人々で、数少ない「実利を得ている」人々。それに加えて最近は芸能人もフラッグマン色を濃くしている。

(131ページ)

信者
フラッグマンに追随する人。ほとんどのケースで妄信的にフラッグマンの意見をそのまま是とする。また複数のフラッグマンに追随することも珍しくない。フラッグマンに自己同化することによって満足を得る。自分が信仰するフラッグマン同士がコンフリクトを生じたときには大きなダメージを受けるが、自分からどちらかを選択することはできないことが多い。また、思想的な部分ではなく、ネットアイドルに群がるといった形の信者も相当数存在する。一時期眞鍋かをりさんや中川翔子さんのブログに集まっていた人たちがTwitterに入ってきている。
(131〜132ページ)

芦田氏のフォロワー数は1万人で、フラッグマンとしてはぎりぎりの数字かも知れません。しかし、他の部分ではほぼ定義に合致しており、「フラッグマン」の一人として認定して問題ないでしょう(こういうのを「心理主義」と言います)。

「信者」について今回検証できたのは「妄信的にフラッグマンの意見をそのまま是とする」という部分です。講義では質疑応答の時間もかなりありましたが、芦田氏のスタンスに疑問を呈する立場からの質問は私から以外は一切ありませんでした。芦田氏の発言の中にはいくつか芦田氏自身が忌み嫌う「心理主義」的な発言がありましたが、これらについても全く疑問を呈することはありませんでした。こうまとめると、これも「心理主義」と言われるでしょうが、参加者たちは絵に書いたような「信者」たちでした。

また、私は「Twitter後のネット社会」において、信者について次のようにも分析しました。

最近で面白かったのは芦田宏直氏のケースです。彼が独自の理論で展開するネットコミュニケーション(罵倒型コミュニケーション)に心酔したTwitter利用者が彼の取り巻きとなり、信者層を形成しています。芦田氏は多くの経験と非常に深い洞察力とを兼ね備えた人物ですが、当然のことながら、Twitterを利用することによって彼に同化できるわけではありません。ところが、信者たちはそのあたりが今ひとつ理解できていないようです。つまるところ、新興宗教にはまるのも、フラッグマンにはまるのも、現象としては大きな差異が存在しません。ですから、傍から見ていると気持ちの悪い部分もあるのですが、当人にとってそれが救いとなり、また外部に悪影響を及ぼさないのであれば、その存在は否定されるべきではありません。

(136ページ)

芦田氏は「若いうちにしっかりとインプット(勉強)しろ」と力説しますが、彼の信者たちは芦田氏を理解することには熱心であるものの、肝心のインプットについてはかなりおろそかな印象を受けます。信者たちは、芦田氏の取り巻きであることによって同化したつもりになっていますが、残念ながら、それは無理です。なぜなら、芦田氏は彼らでは到底及びもつかないだけのインプットを行って来ているからです。そして、そのインプットに並ぶためには、Twitterなど、やっている場合ではないはずなのです。彼らが誰かに迷惑をかけるわけでもないので、「現状のあなたたちは他でもない、芦田氏によって否定されているんだよ」と教えてあげる義理もないのですが、もし本当の意味で彼らが芦田氏に匹敵したい、あるいは芦田氏の弟子として認められたいと思うなら、まずやらなくてはならないことは勉強です。

講義を終えての私の感想は、「今日の参加者たちは、本で定義した「信者」像にぴったりの人たちだったな」というものでした。少人数による講義でしたが、そこに存在したのは一人のフラッグマンと、彼を妄信的に信頼し、同化することを望んでいる多くの信者たちでした。そして、信者論のどこが間違っていたのかはまだわかりません。

なお、本を買っていない信者の皆さんのために、「Twitter後のネット社会」で信者に向けて書いた処方箋を引用しておきます。

フラッグマンはいつでもあなたを助けてくれるわけではありません。きちんと自分で考えて、きちんと自分の意見が言えるようになったら良いですね。

(144ページ)

さて、残りの「微分論」については、次回、取り上げたいと思います。また、今回の講義で勉強させていただいた心理主義についても、機会を見て取り上げてみたいと思います。

関連エントリー
その1「情報拡散は公式RTを利用しよう」

その2「自分ができることをやる」

その3「ポジティブ情報も生き残れないTwitter」

その4 ツイッターでの議論はソーシャルリンチにつながります(草稿)

その5 自分にとってのカリスマ

その6 芦田さんのツイッター微分論について その1

その6 芦田さんのツイッター微分論について その2

その7 来る前に終わった?フェイスブックの時代

その8 遅れて登場した「村の重鎮」

その9 自治体までFacebook

アゴラブックスより「Twitter後のネット社会」絶賛発売中!「ブログ・ビジネス」が今ではスタンダードになったのと同様、Twitterの今とこれからを知る上で必読の書です(多分(笑))。

売り場はこちら→Twitter後のネット社会
買い方はこちら→アゴラブックスで「Twitter後のネット社会」を買う! 〜楽天編〜
aftertwitter


この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/buu2/51283093