2011年08月15日

愛と哀しみの果て

愛と哀しみの果て 【ベスト・ライブラリー1500円:80年代特集】 [DVD]

なんか、例によって素っ頓狂な邦題だけど、原題は“Out of Africa”。

男爵に振られた女性がその弟と政略結婚して、アフリカでコーヒー農場を経営するのだが・・・という、1行で書くと元も子もないようなストーリーである。最近、色々なアフリカを描いた映画が上映されているので、「ええ?こんなにきれいなの?」と驚いてしまうような、素晴らしく綺麗なアフリカの自然の中で、メリル・ストリープとロバート・レッドフォードが演じるラブストーリーが展開される。

主人公の女性は最初から滅茶苦茶やり手で、役に立たない旦那をさておき、どんどん農場を育てて行く。男性社会の中できちんと仕事をこなし、最初はクラブでお酒も飲ませてもらえなかった「男爵夫人」は、ラストで「おごります」と言われる一人の人間、「カレン」になる。そういう、一人の女性の成長譚になっている。

その中で、横糸として語られるのがメリルとロバートの恋愛なのだけれど、自由を求めるロバートに対して、彼を束縛したいメリルの確執はすぐに表面化してしまう。その結末は、大方の予想通りとなるのだけれど、このあたりも静かに淡々と語られていく。一貫して表現されるのは女性の受け身の立場、ただただ待たされる立場である。特に梅毒によって子供が持てないとわかって以後のカレンは、ずっと「待つこと」に苛立っている。待たなくて良い立場を求め続けている。このあたりは現代社会にも通ずるところで、女性が社会進出を果たしつつあっても、変わらない部分はあるよなぁ、と思う。狩猟と放浪と自由を求める男と、土地と安定を求める女、という対比は今の時代でも普通に通用する。

映像はきれいなんだけれど、アフリカの雄大さを見せるというなら「アラビアのロレンス」の方が印象的だと思う。あと、ちょっと尺が長いかな。一方で、音楽は心地良かった。



以下、ネタバレ。

想定内の事象が淡々と続いていく中で、最後に「え?」っていう展開になる。それは「カレンは二度とアフリカに戻らなかった」というところ。良いこともあり、悪いこともあり、それが人生ではあるけれど、ある重要な時期を一緒に過ごした人たちとの再会って、嬉しいものなんじゃないのかなぁ、と思うのだけれど。それ以上のものがアフリカ以外にあったのか、あるいはデニスを埋葬した時点で、カレンにとってのアフリカも一緒に埋葬してしまったのか。現地の人達とは、病気の治療から戻ったときにはすでにきちんと心の交流ができていたのに。あるいは、もう一度行くまでもなく、きちんとどこかに仕舞われたのか?それとも、待たされ続けた人生に疲れ、待たせる立場に身をおくことにしたのか(でも、それは江戸の敵を長崎で討つような感じがしないでもない)。今度、時間があれば、そのあたりを確認しながらもう一度観てみようかな、と思う。評価は☆1つ半のところ、大好きなメリルにおまけして☆2つ。

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