2011年09月21日

3割打者激減、防御率1点台大量生産

今年のペナントレースもそろそろ佳境。それで、個人記録をちょっと見てみたら、へぇ、っていう感じ。というのも、セもパも防御率1点台のピッチャーがゴロゴロいる。一方で打率を見ると、三割バッターが両リーグで7人しかいない。セ・リーグなんかたったの二人で、その長野とマートンも3割1分には届いていない。

つまり、物凄く投高打低になっているということだ。今年から飛ばないボールになったというのも一つだろうけれど、どちらかと言えばストライクゾーンの拡大の方が影響が大きいかも知れない。というのは、セ・リーグで活躍している吉見、内海、館山の防御率1点台トリオの奪三振が少ないからだ。奪三振だけ見ると能見、マエケン、澤村といったメンツのほうがずっと多い。だけど、彼らは防御率もちょぼちょぼ、勝ち数もちょぼちょぼである(澤村はその中ではかなり良い部類)。セ・リーグで活躍している3人は、豪速球でグイグイと押していくような、ダルビッシュやマー君みたいなピッチャーではないのである。

となれば、ボールが飛ぶ、飛ばないよりも、引っ掛けさせるようなピッチャーの方が成績を上げやすくなったと考えるのが妥当だ。

僕は中日ファンだから吉見のピッチングは良く観る。彼は球の出どころが見えにくい種類のピッチャーだけど、スピードはそれほどでもない。ただ、コントロールが抜群に良い。これまで156イニング投げて与四球は20である。一試合に1つか2つしか出さない勘定だ。そして、被本塁打は7本。これも少ない。つまり、もともとタイミングが取りにくいピッチングフォームだということに加えて、広くなったストライクゾーンを的確に利用し、抜群のコントロールで際どいところに出し入れしているんだろう。カウントを追い込まれてしまうと打者は不利になるから、どうしても早めにバットを振ってくる。そこへ、最初から際どいコースに投げてこられてしまうと、どうしてもひっかけて内野ゴロになってしまう。加えて、ドラゴンズの二遊間はアライバコンビである。おかげで、150キロ出るか出ないかの普通のスピードなのに、防御率は1.61でセ・リーグトップにいる。

ドラゴンズの今年の野球はとにかく点が取れない。8月は全24試合のうち、実に19試合で得点が2点以下だった。それも最後の一週間で帳尻を合わせただけで、8月23日までだけを見るなら、18試合で3点以上は1試合だけだった。それで9勝7敗2引き分けというのだから恐れ入る。つまり、1−0と、2−0と、2−1の試合が半分もあったということだ。これでは観ている方はストレスが溜まる(笑)。ただ、2点取ってしまえばほぼ勝利が確定してしまうのだ。そして、それを支えている投手陣には剛球タイプが全然いない。せいぜい浅尾ぐらいだが、彼も物凄い豪速球というタイプではない。ただ、みんな制球力は良い。無駄なフォアボールをほとんど出さない。ちょっと前に読売にいたクルーンみたいな、めっぽう速いけれどノーコン、というタイプは全くいない。

しかしまぁ、考えてみるとワールドベースボールクラシックなどもなかなか点が入らない。そういうのが今の野球の流れなんだろう。おかげでフォアボールやエラーが致命的になって、隙のない野球が求められるようになってきた。重量級の打者を揃えていた読売ですら、最近は巧打者が増えてきているくらいだ。

豪速球ピッチャーはしばらくするとメジャーに行ってしまうので、一層技巧派ピッチャーが増えてくる。力対力の対決だと出合い頭があるけれど、技巧派のピッチャーはそれがなかなかない。グラウンドも広くなる一方なので、ホームランも減ってきている。これからしばらくは、打者が3割を維持するのは凄く大変な時代になるんだろう。

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