2011年09月24日

デザインセンスを身につける

デザインセンスを身につける (ソフトバンク新書)

仕事仲間のウジトモコさんが本を出版されたとのことで、一冊献本していただいた。ということで早速読んでみた。

タイトルの通り、デザインセンスを身につけるための本なのだけれど、ツイッターのアイコンといった比較的わかりやすい各論から入っておいて、あとは「どうしたら良いのか」を説明しているのがウジさんの工夫。

ただ、正直、この本をどういう人が手に取るのか、今ひとつイメージできない。例えば美大を目指そうかと思っている中高生にはちょっと難しすぎる気がする。じゃぁ、もっと大人ならどうなの?ということになるのだけれど、デザインの楽しさとか、大事さとか、そのあたりをわかっている人はたくさんいても、「自分でやりたい」と思っている人って、どのくらいいるんだろう??ブログのデザイン、あるいはツイッターのアイコンひとつ取ってみても、「気合いを入れてしっかりやろう」とか、「これでセルフブランディングするんだ!」と考えている人って、そんなにいないと思う。かく言う僕も、「別にどうでも良いや、中身さえきちんとしていれば」と思っている一人である。とはいえ、何もやっていないわけではない。自分のブログも、会社のサイトも、僕が自分でデザインしているし、それなりにきちんとしているとは思う。

#ただし、会社のサイト構築をライブログで受けた場合、デザインはきちんとデザイナーにやってもらいます。デザインは物凄く大事なので、手を抜くことはないです。クライアントの予算の都合で僕がデザインする場合もありますが、その場合はデザイン料は無料です。プロの仕事ではないので。ご安心を(笑)。

さすがに会社のサイトは「どうでも良い」ということはなく、最低限のところはクリアしていると思うけれど、少なくとも自分の個人ブログとかは完璧に「どうでも良い」だし、じゃぁ今のデザインは何なのって、単に自分で堀北真希のイラストを描いてみたら意外と上手にできたので、それをそのまま使っているに過ぎない。堀北真希である必然性なんてこれっぽっちもないのである。ツイッターのアイコンだって、どこかの無料サービス(Yahoo!のアバターかな?)で作ったものだ。こだわりといえば、「赤い彗星」だから赤くしたってだけのこと。

僕だけじゃなくて、ほとんど全部の人がこんな感じなんだと思う。

そして、多分ウジさんはそういう状態が不本意なんだと思う。

ウジさんの考える「デザインセンスを身につける方法」は確かにその通りだと思うのだけれど、多分それだけが唯一の方法でもないし、また一番速い方法だとも限らないと思う。例えば僕で言えば、僕のセンスはウジさんが書いている方法で身につけたものでは、全くない。僕は、単に美術館に行って、絵を見たり、陶芸を見たりして、「あぁ、これは良いなぁ」と思ったものを覚えているだけに過ぎない。

ただ、そういう、ボトムアップのやり方は、凄く時間がかかる。僕は美術館に行くのが好きだから全く苦にならないけれど、「別に美術には興味がないけれど、デザインセンスは身につけたい」という人には、こういうロジカルな手法というのも役に立つと思う。あと、僕のように、取り立てて美術の勉強をしたわけでもない人間が、「あぁ、そういうことなのね」と論理的な裏付けを得るのにも役に立つ。

疑問は、そういう人って、世の中にどれだけいるんだろう?ということだ。

ということで、ちょっと僕がいつも読んでいるブロガーの方々の反応を見て回ってみた。

センスがない…は治らない? 「デザインセンスを身につける」ウジトモコ(もともこも鳴き笑い)

「尊敬する先輩だが、オタクっぽい二次元アイコンがいやだったのでアンフォローした」


これは引用の引用だけれど、実際にこんなことってあるのかなぁ。99%ないと思うし、もしあったとしたら、それは「尊敬」なんかしてないよね。尊敬しているつもりだっただけ。

「そうそう、これこれ」と思ったのは第四章「デザインでブランドが育つ」です。


うん、これはその通り。ウジさんのこれまでの本でも一貫しているし、ウェブ屋としての僕のスタンスからも全面的に同意するところ。疑問は、そういうことを考える立場にいる人って、意外と少ないんじゃないの?ということ。

いやはや、然し、デザインねぇ……このブログもどうにかしなくちゃにー


きっと、もともこもさんも後回しにするタイプだと思う(笑)。

これが決定版じゃね?とってもお手軽『デザインセンスを身につける』(マインドマップ的読書感想文)

うーーん、この感想は褒めているようで全く褒めていない。感想で触れているのがアイコンのことだけ。でも、それはこの本の本質じゃぁ、全然ない。だけど、読み手にぱっと役に立つところって、そこなんだよね。極論しちゃうと、そこだけとも言える。何度も繰り返すけれど、残りの、本質のところが誰の役に立つんだろうなぁ、というのが僕の疑問。

うーーーーーん、どうもしっくりこない。なんでだろう・・・そうか、一つには、この本で取り上げているのがツイッターだからだ。僕はもうツイッターはピークを過ぎたサービスだと思っていて、別にこれを使って特別なブランディングを考えているわけでもなく、だからアイコンとかもどうでも良い。自分についてもそうだし、他人についてもそう。別にツイッターのアイコンなんて、何だって良いのである。一方でフェイスブック。フェイスブックは別に新しい人間関係を構築するためのツールではない。既存の人間関係のメインテナンスを楽にするためのツールだ。これまで年賀状程度しかやりとりをしなかった人たちと、適度に緩くつながり続けるというのがメインの役割である(少なくとも、僕にとっては)。だから、こちらはこちらで、「うわー、デザインセンスが良いねぇ」と思ってもらう必要がない。別に酷い写真を使っているわけじゃないけれど、少なくとも写真によって何かこれまでできなかったことを実現しようとも思っていないのだ。そして、この感覚は僕だけじゃないはず。「可愛い猫のアイコンが良い」って思う人はきっと山ほどいる。

と、何度も何度も繰り返したのは、「デザインって、どうでも良い」と思っている人が大勢いて、その状況にフラストレーションを溜めているウジさんがいる。その状況下で、この本は「どうでも良い人たち」に対してどの程度アピールできるのか、ということなのだけれど、うーーーーーーん、個人的には難しいような気がする。結局のところ、もともとウジさんの主張に「そうだよね!!」って同調している人たちだけの間で共有され、「どうしてみんなわかってくれないんだろうね」ってなっちゃうような気がする。

1.ツイッターなんて、ほとんどの人にとってどうでもいいもの
2.それはブログもフェイスブックも一緒
3.仕事でデザインを気にしなくてはならない人は一握り

あたりについて、ウジさんの考えと世間にズレがあるんじゃないかなぁ、と思う。だから、本としては面白いし、ウジさんの考え方を理解している僕には普通に受け入れられる本だけれど、世間一般にどこまでアピールできるのかと言われると、ちょっと「うーーーーん」という感じになってしまう。

今、僕は「科学的な考え方って、どうやったらもっとみんなにわかってもらえるんだろう」と考えて試行錯誤を続けているわけだけれど、「科学」と「デザイン」って、抱えている悩みは共通しているような気がする。「わかる人がわかれば良い。結論だけ教えてくれ」という大衆と、「そこへ至る考え方が重要なのに」という僕達との、深くて大きな溝をどうやって越えていくのか、という。

役に立つとか、立たないとかじゃなくて、ウジさんの抱える悩みを共有するような本だった(笑)。

#献本なので、書籍の点数評価はなし。だけど、800円だし、このくらい、みんな買って読んだら良いと思う。昼間の定食と同じ、都心の飲み屋でカクテル一杯と一緒の値段ですよ。

#135ページはグラデーションと言いつつベタになっているような気がする。釣りかと思って何度も見たけれど、やっぱり真っ黒に見える。

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