2011年09月28日

科学的とはどういう意味か

科学的とはどういう意味か (幻冬舎新書)

森博嗣さんがちょこちょこっと書いた本。でも、内容は結構良いと思う。最後でずっこけたけど。

ほとんどはこのブログで散々書いていることをコンパクトにまとめてくれているという感じなんだけれど、いくつか抜き出すと

◯文系の人間は「難しいことは良いから、結論を教えてくれ」と言う
◯お笑い番組で、大勢が笑っている声がバックで流れるのは、どう考えれば良いのか、どう対処すれば良いのかを考えたくない視聴者を誘導している
◯科学とは、「他者によって再現できるもの」
◯ちょっとした質問にも「まあ、だいたいそうですね」と割りきって答えることができないのが科学者
◯間違いが発生する可能性を監視することも科学
◯科学的であるためには、報道、常識、学校でならったものを鵜呑みにしてはならない
◯論文は公開前に審査され、公開されたあとも議論の対象となる。この過程によって、公平さが担保される
◯「科学ってこんなに楽しいですよ」というコレまでの姿勢は単なる楽しさの押し売り
◯お上を信じられるという神経が不思議
◯科学的だと装った詐欺まがいのもの(健康によいとか、痩せられると謳う食品、薬、あるいは装置、運動、各種の占い、風水、姓名判断など)が後を絶たない
◯神様や占いを信じるのは勝手だが、大事な事はそれが「非科学的」なものだと自覚すること
◯好きになることは大きな力になる

という感じ。一方で疑問に思ったのは次の項目

◯科学の目的は、すべて人間の幸せにある
◯自分が考えたものだから、利益や賞賛を独占したい、というふうには科学者は考えない

特に一つ目はずっこけた。科学の目的は物凄く個人的な好奇心を満たすこと、っていうのが現時点での僕の考え。だから、最後のゴール地点は森さんとかなり違う。だけど、その他のところについては非常に共感する内容だった。オススメ。評価は☆2つ半。

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科学の発展とは、そういった「神」の支配からの「卒業」だったのだ。(130ページ)
【理系/文系の垣根を越えて】科学的とはどういう意味か【ぱふぅ家のサイバー小物】at 2013年12月12日 20:56