2011年11月30日

遺伝子組換えに関する間違った知識

ツイッターを見ていると、遺伝子組換えについての間違った意見、勘違いが山ほど見つかります。ちょっといくつか覗いてみます。

自然界に「青」ってないでしょ?サントリーの青いバラは「遺伝子組換え」で意図的にデルフィニジンを作れるようにしたの。それって自然の色じゃないよね。


→青いバラがないだけで、自然界には青い花がたくさんあります。青いバラが自然ではないだけで、デルフィニジンはパンジー由来の天然色素です。

TPPの危なさは遺伝子組み換え食品の無制限な流入だ。事実、米国で遺伝子組み換えアミノ酸で37人が死亡し1000人以上に障害が残った事故が起きているのだ・・


→昭和電工のL-トリプトファン事件は遺伝子組み換えとは無関係にL-トリプトファンの過剰摂取が原因だったというのが現在までのコンセンサスになっています。

茶のしずく問題って遺伝子組み換え食品には飛び火しないのかなー


→むしろ、「天然物だから安全」というわけではない、という、遺伝子組換え食品にとっては追い風のニュースです。

遺伝子組み換え食品の安全性は世代を超えなければ分らない。


→全くそんなことはありません。組換えた遺伝子が、それを食べる動物(ヒトを含む)の遺伝情報に影響を及ぼす可能性はほぼゼロです。

発展途上の国に除草剤とその耐性遺伝子組換え種子を提供。自然分解と銘打つ除草剤にその症例はなく数年で蓄積、同社耐性GM種以外育たなくなる。


→除草剤耐性遺伝子のターゲットとなる農薬はラウンドアップ(グリホサート)ですが、ホームセンターでも普通に売っている農薬です。もちろんAmazonでも購入可能です。



レビューを見るかぎり、評判も良いようです。


と、ツイッターをちょっと散歩してみただけでも間違った情報がわんさか釣れてきます。大事なのは「正しい情報を見極めて、それを参考にして自分で選択すること」のはず。ちょうどTPP問題や遺伝子組換えパパイヤの輸入解禁と重なって、改めて遺伝子組換え食品への注目が集まっています。「遺伝子組み換え食品との付き合いかた」を読んでいただければ、「これからどうしたら良いのか」のヒントが得られると思います。本日、オーム社から発売です。よろしくお願いします。

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