2011年12月17日

継続して売れて欲しい「遺伝子組み換え食品との付き合いかた」

「総統閣下はお怒りです」が書店にどーんと並んでいるのでついついそちらに目が行ってしまうのですが、ほとんど同じ時期に発売された「遺伝子組み換え食品との付き合いかた」も地味に売れてます。amazonの食品・栄養学部門で2位になっています。

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自分で言うのもなんですが、この本はとても良い本だと思います。そうなったのは、僕の文才というより、こういう内容にランディングさせてくれたオーム社開発部の方々と、編集者さんのおかげです。このブログをいつも見ている方は想像がつくと思うのですが、元々の原稿はもっとずっとエキセントリックでした(笑)。

この本は、まず、日本人の大多数と思われる、「遺伝子組み換え食品って、実際のところ、どうなの?」となんとなく不安に感じている人には非常に役に立つはずです。また、「安全に決まっているのに、科学もわからずに騒いでいる電波たちは何なんだよ」と思っている科学者の皆さんにも、一定の情報を提供できると思います。特に遺伝子組み換え食品がどうやって国際的に評価され、また国内でどういう審査を受けているのかなど、科学以外の領域の情報は役に立つと思います。唯一、「遺伝子組み換え食品は絶対嫌だ」と決めている人には、何の役にも立たないかも知れません。ただ、私の姿勢はそういう人たちを無視しようというものではありません。

私は理化学研究所にいた時、広報の立場で研究者と一般生活者の橋渡しをしてきた人間です。科学と感情の折り合いの付け方を常に考えてきました。遺伝子組み換えは、その「科学」と「感情」の2つが完全に分断されてきた象徴的な分野です。そろそろ、その2つをきちんと融合していかなくてはならない時期がやってきたのだと思います。

だから、まじめに、私の本が100万部ぐらい売れたら良いのにな、と思っています。この本が売れることが、すなわち、遺伝子組み換え食品に関する国民的な議論の第一歩になるはずです。

さて、「総統閣下」の記事でもお願いしたのですが、この本を読んでいただいた方々にお願いしたいことがあります。もし、この本を読んで「役に立った」と感じたら、ぜひ身の回りの人にお勧めしていただきたいのです。ひとりでも多くの人にこの本を読んでいただくことによって、遺伝子組み換え食品を取り巻く環境は変わってくるはずです。また、できればこの本を手放さないでいただきたいのです。10年とは言いませんが、5年ぐらいは手元においていただければと思います。なぜなら、ちょっとした参考書としても使えるように書いてあるからです。新聞に遺伝子組み換えに関するニュースが載っていて、良くわからないことがあったとき、ちょっと引っ張り出して調べられるように、索引もつけてあります。こう書くと、「転売されると儲からないからじゃないか」と考える人がいるかも知れませんが、それはある意味正しいです。私は、すぐに手放したら勿体なくなるような内容にしたつもりです。

また、何かわからないことがあれば、私に直接質問することも可能です。Facebookページを作ってありますからそこで質問していただくのが一番良いと思います(Facebookページはサイドバーで「いいね」を押していただければ参加できます)。このブログにコメントしていただいても構いませんし、ツイッターで聞いていただくこともできます。皆さんに知っておいていただきたい話であれば、Facebookページのコンテンツとして追加し、共有することもできます(すでに「ノート」で記事を追加してきています)。今後も、ソーシャル・メディア時代の特長を上手に利用していきたいと考えています。

これから数年間、この本が息の長い本になってくれたらと思います。ぜひ、皆さんの協力をよろしくお願いいたします。



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