2012年01月07日

科学的根拠に基づく食情報を提供する消費者団体はインチキか、否か

遺伝子組み換え食品について科学的な視点から情報発信を続けている方に、畝山智香子氏と松永和紀氏がいます。私はお二方ともに面識がないのですが(役人をしていたときに話をしたことぐらいはありそうですが)、著書やウェブサイトなどでいつも勉強させていただいています。

先日、ツイッターで松永氏が運営するFOOCOMに対して「ここに投稿している人は全員インチキ」とするつぶやきがありました。「文句があるなら反論してみな」と記載されていましたので、文句はないのですが、質問を投げかけてみました。かなり長時間にわたって会話をしたのですが、その中には幾つかの参考になるコメントが含まれていると感じましたので、Togetterにまとめてみました。



「遺伝子組み換え食品との付き合いかた」(オーム社)で述べたことの柱の一つは、

遺伝子組み換え食品の推進、反対の対立構図は「科学」と「感情」の対立に置き換えることができる


というものです。こうして書くと、日本人の大半は「科学的であるべきだ」と考えるかも知れませんが、僕は必ずしもそうは思っていません。科学と感情は科学と非科学に換言できると思うのですが、この科学と対立するものとして、宗教が挙げられます。たとえばカトリック教会は恐らく遺伝子組み換え食品に対して慎重な立場を取ると想像するのですが、このとき、「科学的に安全が実証されているんだから、カトリック教徒であっても遺伝子組み換え食品を食べるべきだ」と言ってしまうのはちょっと乱暴に過ぎると思うのです。

上記の「まとめ」は電波が釣られた案件としてネットで大評判になり、一晩で1万以上のアクセスを集めました。僕も、「あーーーーー」という印象を持ったのは確かです。ただ、こういう人たちの「食べたくない」という気持ちは尊重されるべきだし、「食べないですむ」環境の整備は必要なんじゃないかな、と思っています。

もう、スーパーの棚は遺伝子組み換え食品ばかり!?「そろそろちゃんと勉強しておきたい」という方は、ぜひ一冊お買い上げ下さい。↓



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この記事へのコメント
松永氏のトランス脂肪酸の記事に関して
ヤフー掲示板が炎上しています。

http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=200001108&tid=a5ha5ia5sa59bbikcbbc0hchbda4n4ma4a6a45&sid=200001108&mid=10

松永氏の場合、業界の利益を守ることが第一にあり、
最初に結論ありきが問題だと思うのです。

そのため、都合のいいデータがあれば、
あまり検証もなしに、飛びつくのが問題だと。

サイエンスライターとしては、氏の存在そのものが
有害だと思います。
Posted by 匿名 at 2012年06月10日 10:32
> 松永氏のトランス脂肪酸の記事に関して
> ヤフー掲示板が炎上しています。

炎上というほどのことでもないと思いますが、元ネタはこちらですね。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1932?page=1

この記事の内容については、僕は普通だと思いますが。要すれば、「日頃から山ほど食っているなら、その中に含まれるトランス脂肪酸の量も問題になるけれど、日本人の食生活ならそもそも脂肪酸をあまり摂取していないので、あんまり気にするな。それ以前に、脂肪酸そのものを摂り過ぎてデブらないようにね」ということですよね?その通りだと思うのですが。
Posted by buu* at 2012年06月10日 13:29