2012年04月15日

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アカデミー賞の作品賞、主演男優賞、監督賞、作曲賞、衣装デザイン賞を受賞した作品。これで脚本賞を獲れないのかぁ、と思ったのだけれど、脚本賞はアカデミー賞だけではなくゴールデン・グローブ賞も「ミッドナイト・イン・パリ」だったので、きっと「ミッドナイト・・・」の脚本が凄いんだろう。

さて、本作。サイレント映画からトーキー映画への移行時期にあわせ、少しずつ忘れられていくサイレント映画の人気俳優と、それに取って代わるトーキー映画のスター女優を描いている。この映画の工夫はベースをサイレント映画にしたことで、そのおかげでサイレント映画の記録的な色彩を帯びている。ちゃんとした映画館でサイレント映画を観たのは初めてだけれど、なるほど、主演男優は見事に「サイレント映画の男優」を演じている。あと、役者たちの表情や動きで物語を進めていくので、かなり集中力が必要。観終わった時にはちょっと疲労感があった。

純粋なサイレント映画ではなく、細かい所で現代の技術を挿入しているのだけれど、その匙加減の絶妙さに一番感心した。昔の雰囲気をきちんと再現しつつ、それを壊さない範囲で新しい技術を取り入れていた。

ストーリーはどうなんだろう。特にこれといったひねりもなく、みんなが思っているとおりに話が進んでいく。この点については、もうちょっと何かあっても良かったのに、と思わないでもない。

本作、サイレント映画なので、セリフが所々で英語で表示される。字幕はその下に表示されるのだけれど、こうやって見させられてしまうと、「あれ?congratulationsって、スルー?」とか、「英語ではちゃんと主語が誰か表記されているのに」とか、色々と不思議なところが目に付く。日本語にする際、色々と端折っているのがまるわかりなのである。字幕作家の人もプレッシャーがあったかも知れない。二度観るなら日本語じゃなくて英語で観た方が良さそう。

冒頭でマルコム・マクダウェルの名前があったので「どれかなー」と思って観ていたのだけれど、わからなかった。考えてみれば、時計じかけのオレンジ以後、彼を認識したことがない(^^;

ものすごく残念だったのは、途中にある無音のシーンが非常に大事な映画なのに、がさがさ食べ物をいじっていたり、飲み物の氷をカチャカチャ鳴らすお客さんがいたこと。静かなシーンでは静かにしておけよ、馬鹿、と思った。だからといってDVDを家で観るんじゃだめな映画なので、なるべく民度の高い映画館で観るのが良いと思う。例えば池袋のシネ・リーブルとかは良いかも?

ところで前から思っていたんだけど、大泉って、音が他の劇場に比較して大きいよね?

評価は☆2つ半。動画での感想は1時間4分25秒ぐらいから。



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