2012年06月05日

遺伝子組み換え大豆の栽培は非組み換えに比較して13倍も労働効率が良い?

遺伝子組換え農作物に対する批判は色々なタイプがあるのですが、その代表的なものとしてモンサントの独占状態に対するものがあります。批判と言っても「モンサントばかり儲けやがって」という、批判なのか、妬みなのか、どちらなのか良くわからないものが散見されるのですが、それに関連してこんな記事がありました。

農家とモンサントの法廷闘争、遺伝子組み換え大豆の特許使用料で ブラジル
http://www.afpbb.com/article/economy/2881912/9052510

僕はモンサントに対してはニュートラルな立ち位置で、そもそも各国で裁判をやっているのだから、外野はとやかく言わず、各国の裁判の結果にだけ注目していれば良いと思うのですが、この記事で面白いなと思ったのはこの記述です。

「遺伝子組み換え大豆は穀物栽培で使用される土地の44%を占めているが、雇用では5.5%にしか満たない」と述べ、高度に機械化されたモノカルチャーでは多くの労働力を必要とせず、多数の農家が排除されることになると指摘した。


農業の近代化が進めば省力化は当たり前のことです。ただ、これも日本では、なので、ブラジルでは、農業は雇用対策の一環(=福祉事業)なのかも知れません。少なくとも日本や米国ではこの理屈は通用しないと思うのですが。

それはそれとして、この大豆に関する数字は興味深いです。対象がブラジルなのか、全世界なのかは不明ですが、恐らくは全世界で、でしょう。44%、5.5%という数字を利用して計算すると、こんな数値が導き出せます。

非遺伝子組換え 農地56% 労働力94.5% 労働効率(農地/労働力)0.59
遺伝子組換え 農地44% 労働力5.5% 労働効率 8

ここでは労働効率を「農地の広さ/労働力」で定義しましたが、この数値で比較すると、遺伝子組換え農作物は約13.5倍も効率が良いということになります。この記事で提示されている数字が本当なら、という但し書きつきですが、これはこれで凄い話です。

#実際には、農業が大規模化・近代化されている国ほど遺伝子組換え大豆の導入率が高い、ということが大きいと思います。遺伝子組換え大豆と労働効率に相関関係があることは容易に想像がつきますが、遺伝子組換え大豆のおかげ「だけ」で農作業が13倍以上も効率化されたということではないんじゃないかな、と想像します。

##逆に言えば、このセルジオ・シュレシンガー氏の主張も、そのあたりについて言及がないことが問題です。自分たちの主張が通りやすいように、都合の良いように数字をいじったり、ミスリードするように提示するケースは多々あるので、注意が必要です。

###仮に本当に13倍も効率化されるなら、どんどん大豆畑を作って、食糧難を解決すれば良いと思います。適した土地があるなら、ですが。

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