2012年08月10日

闇金ウシジマくん

試写会で鑑賞。

数年前に連載していたシリーズの映画化。ストーリー、演出ともにできは決して悪くない。主人公のチャラ男君は「人脈を資産にしてのし上がる」と頑張っているけれど、人脈だけじゃねぇ(笑)、というのがちゃんと伝わってくる。

俳優陣の演技も概ね違和感がない。黒沢あすかとか、普段はおっぱいに注目しちゃうけれど、今回はおへそ周りの表現力というか、説得力が見事。しかし、最大の欠点はヒロインの女の子が下手くそな上に可愛くないってこと。彼女って、AKB?って思って調べたらやっぱりAKBだった。同じ可愛くない女優でも、苦役列車のマエアツはまだ演技力があったからマシだったのだが。ルックスがいけてなくて、演技力がなくても、客を呼べるからという理由で彼女がヒロインだったのなら、日本の映画界はまだまだ当分の間、衰退を続けると思う。これまでそういう「がん」はジャニーズだけだったのだけれど、AKBが邦画において「がん化」して、しかもジャニーズと両立しない(ジャニーズの出ている映画にAKBが出ない)のなら、発がん率は2倍である。

「スマグラー」のような痛い映画が苦手なので、同じ監督が撮っているこの映画も苦手な部類だけど、ウシジマっぽさはちゃんと表現できていたし、チョットしたユーモアが洒落ていたと思う。映画としては及第点の☆2つ。でも、ヒロインで☆半分減で☆1つ半。

それにしても、ジャニーズやAKBを出さないとエンターテイメントとして成立しないという現状は残念でならない。政治がダメなのは国民が悪い、というのと同じで、映画の質を規定しているのはそれにお金を払う側である。逆説的ではあるけれど、西川美和、園子温といった、観客に阿ることのない監督たちの今後の活躍に強く期待したくなるような映画だった。

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