2012年09月24日

政治家向けソーシャルメディア利用ガイドライン(徐々に増補の可能性あり)

最近、政治家の方々と話す機会が多いんですが、一々指摘するのも面倒くさいのでまとめておきます。一般の方々には何の意味もないガイドラインです。なお、ソーシャルメディアとひとくくりにしましたが、ブログ、SNS(Facebookを含む)、Twitter、動画配信(Ustream、ニコ生)あたりを想定しています。

1.ブログを使うなら、独自ドメインで
アクセスが増えやすいから、といった理由でアメブロとかを選ぶ人がいますが、やめた方が良いです。アメブロにして増えるアクセスは基本的にろくでもないアクセスです。本当にあなたの活動や政策、考え方に興味がある人は、どんなドメインでもアクセスしてきます。

2.記事を書くときは正確かつキレイな日本語で
「ら」抜きとか、論外ですが、なるべくキレイな日本語を使いましょう。文法的に正しいだけではダメで、文体も重要です。下手くそな日本語の使い手として山本一太氏や片山さつき氏を挙げることができますが、こういった方々の日本語は真似をしてはいけません。万一、これらの方々の日本語の難点が理解できない場合、あなたはキレイな日本語を使えない可能性が高いので、必ず誰かに日本語をチェックしてもらいましょう。あ、アメブロを使っている芸能人に良く見られる、改行だらけの文章ももちろん論外です。だって、あなたのまわりの文書で、そんな改行だらけの書類なんてないでしょう?え?これがネットの流儀だと思っていた?そんなことはありません。そんな書き方をするのは頭の悪いタレントぐらいです。

3.批判をするときはそれなりの覚悟が必要
ときどき「お前は五流」などと言い放つ政治家がいますが、他者を批判するときは必ず反論された時のことを考えておきましょう。もちろん反論されたら再反論、あるいは謝罪する必要があります。都合の悪い場合だけ無視するなどは最悪の対応で、反論されたら困ってしまうような批判は控えなくてはなりません。また、批判する場合もきちんと言葉を選びましょう。「五流」といった言葉は単に自分の品格を貶めるだけです。

4.閉鎖空間での発言はやめましょう
Twitterで非公開アカウントを使うなどは論外ですが、Facebookでの発言も、極力全て誰でもアクセスできる状態にしておきましょう。特定の人にだけ情報を発信するなどはダメです。

5.Ustreamなどの双方向メディアの利用も要注意
多くの場合、双方向メディアに寄ってくるのはnoizy minorityだったりします。noizy minorityに粘着された場合、一般人なら「うるせぇよ、バカ」で済むのですが、政治家だとそうもいきません。「一つの見識ですね」とか、「そういう考え方もあるでしょう」などとかわすことは可能ですが、Ustreamのようなメディアでは得てしてsilent majorityは「面倒くさい」と、サイレントの立場を貫くことが多いので、孤立無援となってストレスが溜まります。そういうのが嫌なら、やらない方がマシです。

6.訂正は前後がわかるように
誰でも間違いはするので、長い間ソーシャルメディアを利用していると、発信した情報について訂正する場面は必ず生じます。その時は、修正前と修正後をきちんと明示しましょう。誰かからの指摘だった場合は必要に応じて、それが誰からの指摘だったのかも併せて明示しましょう。「削除すればわからない」といったことはありません。変なことを書けばほぼ間違いなく親切な人が頼みもしないのに「魚拓」を保存してくれています。また、Facebookで「編集しちゃえばわからない」と高を括って赤っ恥を書いた市長もいます。

7.伏字は使わない
基本的に、伏字はダメです。特に「朝◯新聞によると」などという誰にでもわかってしまうような、意味のない伏字はダメです。また、「◯日新聞によると」のような、複数の候補が考えられるような記述もダメです。基本的に、伏せなくてはならないような書き方をしなくてはならない場合は、最初から書かない方が良いです。ただし、特殊な情報で、情報源を秘匿する必要がある場合は、この限りではありません。そういう特殊なケースでは、きちんと事情を明示するようにしましょう。

8.新しい支持者を獲得するためのツールではない
基本的に、ソーシャルメディアは「既存の人間関係のメインテナンス」のためのメディアで、同時に「新しい敵を作る」メディアです。人間関係のメインテナンスには大きな力を発揮しますが、「新しい支持者」を獲得することは非常に難しいと考えられます(一方で、新しい敵は比較的簡単に作ることができます)。したがって、もし利用するなら、あくまでも既存の支持者に対しての情報発信に注力すべきです。その範囲においては、使い方次第できちんと効果を出すでしょう。

9.何かトラブルがあったらすぐに対応する
周囲は味方ばかりではありません。何か文句をつけられたら、なるべく早く対応する必要があります。以前はTwitterならスルーしても構わないと考えられていましたが、Togetterなどで証拠保全されるのが一般的になって来ましたし、近々、Twitterも全ての発言が保管されるように仕様変更されるようです。当たり前ですが、自身のブログやFacebookなどの場合は無視は絶対にダメです。あ、急いで対応するにしても、必ずブレインに相談することを忘れずに。慌てず、急いで、正確に、です。

10.コミュニケーションを取るときはプラットフォームを変更しない
Twitterに批判があったのに「批判はFacebookでお願いします」といった、自分勝手なプラットフォーム変更を相手に強要してはいけません。「Twitterは実名ではないから」といった理由でプラットフォームを変更するくらいなら、最初からTwitterを使うべきではありません。TwitterのことはTwitterで、FacebookのことはFacebookで、同じ土俵でケリをつけましょう。

11.ブレイン選びも重要
きちんとしたブレインをつけましょう。その際、政治的な主義主張など、どうでも良いです。あくまでもソーシャルメディアの運用能力で評価すべきです。僕が知る限りでは、きちんとしたコンサルができそうな日本人は河野武さんだけです。他はほとんど全部、まともなブレインとは成り得ません。もちろん、僕が知る限り、なので、他にも存在はするはずですが。とにかく怪しげなコンサルタントが「どこかに余っている公的なお金はないか?」とウロウロしているので、そんなのに引っかからないように。安易に「Facebookをやりましょう」と言ってくる奴はほぼ間違いなくダメな奴です。

12.参考
反面教師も含め、僕が知っている範囲での政治家のソーシャルメディア利用能力について書いておきます。

◯片山さつき氏(評価0点)
とにかく日本語が酷い。馬鹿丸出しレベルなので、早急にブレインを採用する必要あり。

◯山本一太氏(評価3点)
妙な言い回しや、()書きが散見される。(ガクっ)また、内容も「俺はこんなに忙しいんだ!!」と主張するものが多く、共感しにくい。So-netとか使っているし。

◯河野太郎氏(評価100点)
政治家のお手本といえる。参考にすべき点は多々ある。

◯福島みずほ(評価70点)
意外と馬鹿にできないみずぽん。ソーシャルメディアの使い方はなかなか上手である。FC2とか使っているけど。

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