2012年09月25日

「ココナラ」の時代はコレマデか?

どんなサービスでも、500円で販売できます、という主旨でスタートした「ココナラ」。

ココナラ
http://coconala.com/home

面白いかな、と思って僕も会員登録だけはしたんですが、複数の全く異なるサービスを出品するのは難しいのかな、などと思い、出品はしないでいました。そうやって放置していたら、いきなり超強力なライバルが現れました。それはヤフオク。ヤフオクが、サービスも出品できるようになって、実質的に「ココナラ」のライバルとなったわけです。

ヤフオクに「スキル」出品可能に 家事代行や映像制作
http://www.j-cast.com/2012/09/06145395.html

試しに僕が「あなたが行くべきラーメン屋さんを紹介します」という商品(サービス)を出品してみたのですが、その結果がこちらです。

あなたが今日行くべき「この一軒」のラーメン屋さんを推薦します
http://page11.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/n115899206

僕が出品した商品は150円で売れて、落札者からは次のようなフィードバックをいただきました。

リアルな食べログサービス感謝します。 懐かしい味にありつけそうです。 (評価日時:2012年 9月 10日 21時 46分)


さて、「ココナラ」とヤフオクの比較を表にしてみます。

kokonarayahu


出品サイドから考えると、普段からヤフオクを利用しているなど、プレミアム会員の場合は、会費は無料と考えて差し支えないので、実質的な出品費用は10.50円です。しかも、この費用も様々なサービスによって無料のケースが少なくありません。落札時のシステム利用料は5.25%なので、3,000円以上の落札額にならない限り、ヤフオクの方が有利(しかも、絶対額で、です)となります。ただし、ココナラのシステム利用料には決済手数料が含まれており、ヤフオクではこれが落札者負担となっています。もうちょっと整理するなら、ココナラの場合、実質的な決済手数料150円を落札者が払っており、出品者は350円固定で出品していることになります。

先に挙げた僕の出品事例からすると、出品料は無料、システム利用料は約8円、出品者粗利約140円、落札者負担総額約250円となります。つまり、
僕:△140円
ヤフー:△110円
落札者:▲250円
となります。取引全体で見た場合、システム利用料比率は44%で、ココナラの30%に比較するとやや割高になります。これが仮に370円固定のオークション(出品者に350円の利益が出るように設定)だった場合は、システム利用料約20円、出品者粗利350円、落札者総負担額470円となり、
僕:△350円
ヤフー:△120円
落札者:▲470円

となります。したがって、システム利用料比率は約26%となり、ヤフオクのほうがココナラの30%よりも効率が良くなります。そのメリットは落札者のものなので、「30円安いなら、ヤフオクに出品されているものを使おう」と思うのが人情というもの。なお、このシステム利用料比率は落札額が高くなるにしたがって低くなっていきます。

加えて、無視できないのがシステムを利用している会員数です。対象となる会員数は実に1500倍以上。先日僕が出品したオークションの場合、アクセス総数は2,613件でした。ココナラの会員の半数がアクセスしたことになります。この数をココナラで実現するのは至難の業でしょう。

ヤフオクのメリットは、

◯1円から出品できる(ココナラは500円固定)
◯落札額に上限がない(ココナラは500円固定)
◯500円以上の場合、システム利用料が安価
◯会員数が多い
◯落札者の振込手段が多い

といったところで、デメリットは

●Yahoo!のプレミアム会員登録が必要なこと

ぐらいです。また、このデメリットも、少なくない人がすでにプレミアム会員登録していることから、それほど大きなデメリットとは言えないでしょう。

「知識・スキルを500円で売買できる!」という目の付け所はそれほど悪くなかったと思うのですが、コノママでは巨人Yahoo!に捻り潰され、ココナラの時代はコレマデ、来る前に終わった、ということになりそうです。

#システム利用料30%というのは決して高くありません。妥当な額だと思います。

#なんか、エア・ドゥを捻り潰そうとして、日本航空、全日空が嫌がらせをしていたのを思い出して、あまり良い気分にはならないんですけどね。Yahoo!がやったことといえば、「スキル・知識」のカテゴリを作っただけ(表面上は)という(笑)。

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