2012年10月08日

ブラックジャックによろしく 1〜13巻

ただで読める「ブラックジャックによろしく」、結局全部PDFで読んでしまった(笑)。面倒くさい性格の研修医の目を通して、大学病院を中心とした医療現場を紹介している。最初のうちは大学病院や医療制度を敵視するようなトーンで描かれていたけれど、それが抗がん剤編あたりから随分と変わってきた感じである。それぞれの立場に理解を示しつつ、落としどころがどこにあるのかを模索している感じになってきた印象を受ける。作者には「この絵を描きたい」という一枚があるみたいで、その一枚に至るまでを入念に描いていくタイプの漫画家に感じられる。

ちょっと思うのは、「そんなババァ、いるの?」みたいな、物凄く酷い描かれ方をする登場人物がいくつか見受けられることで、ちょっとデフォルメし過ぎなんじゃないかなぁ、と思わないでもない。いや、実際、キチガイはいるんだけど。

この漫画が正確に今の医療現場を描いているのかどうか、そのあたりは僕は現場に居ないので判断できないんだけど、こういう情報は実際のところほとんど提供されていないので、情報の一つとして頭の中に入れておく必要があると思う。ということで、ただなんだし、これを読むことができる環境にいる日本人は全員読んでおいた方が良いと思う。特に、抗がん剤編と精神病編は医者じゃなくて、僕達一般生活者に向けて描かれている。

全巻のストーリー概要はこんな感じ。

1巻:医療の現状
#ちょっと古い話になっちゃっているかな?

2巻:循環器内科について
#大学病院の先生の描写はデフォルメし過ぎな感が強い。ただ、ラストの絵は良かったかな?

3巻:新生児医療について
#大学病院って、ここまで悪いかなぁ?とは思う。

4巻:その続き
#医療ではなく、障害児を持つ親の話。これまたラストは良かったと思う。

5巻:小児科と抗がん剤
#小児科について、患者の症状伝達能力が低い、手間がかかる、裁判が多い、などの問題点が指摘されているのか、いないのか・・・と思っていたら、あっという間に終わってしまった(笑)そのあとは抗がん剤について。

6巻:抗がん剤ジェムザールについて

7巻:引き続き、抗がん剤について

8巻:抗がん剤からがん医療について、完結
このがん医療に関するストーリーは約4冊に渡って描かれているだけあって、内容が濃かった。

9巻:精神病編その1
導入で一冊終わってしまった感じ。そして、これまで描かれてきた「周囲」について復習するような感じ。

10巻:精神病編その2

11巻:精神病編その3
マスコミや事件などを巻き込みつつ、社会と精神病の関わりを描いている。

12巻:精神病編その4
医療と言うよりは、社会と精神病という切り口に変化している。

13巻:精神病編その5
「少年はいつも動かない。世界ばかりが沈んでいくんだ」という遊眠社のあのセリフと同じ場面が出てくる。そこは良いんだけど、握手で左手を出すのはどうなのかなぁ。

漫画のダウンロードはこちらから。

ブラックジャックによろしく 第1巻
「ダウンロード」のPDFをクリック。2巻以降はこのページにURLあり。

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