2012年11月10日

伏 鉄砲娘の捕物帳

小説家の中では個人的にかなり高く評価している桜庭一樹原作のアニメ映画である。里見八犬伝にインスパイアされた小説らしいが、原作は未読。

一行で書くなら、イヌと人間のあいのこが悪さをするので何とかしてくれ、という話。舞台は江戸時代末期の江戸。

さて、この映画、最も評価できるのは美術の部分。江戸城を始めとして、なかなか良い感じにデザインされている。このあたりはアニメならではの表現で、その良さが存分に発揮されていたと思う。

もうひとつ面白かったのが、江戸時代の設定の中に調和しないグッズが散りばめられていること。この混合具合がまた良い感じである。ただ、こういう風味は、例えば山口晃さんの絵などですでにやられているので、二番煎じという感はある。

そして・・・と、実は褒めることができる部分はここでオシマイ。一番残念でかつ致命的なのが脚本の弱さである。見終わって、この映画で何を表現したかったのかが全く伝わってこない。結果として、退屈な映画になってしまった。

狩るものと狩られるものの間に通じる「何か」、すなわちこの映画で表現されるべきものが、残念ながらほとんど何も伝わってこない。後ろの席に座っていた女子大生と思しき女性は、映画が終わった直後に、「おもしろかった〜。三回目だけど、まだおもしろい」と言っていたので、もしかしたら、伝わってこないのは僕にだけかも知れない。少なくとも、その女性には伝わったんだと思う。じゃぁ、どの程度の頻度で伝わるのかな、ということなんだけれど、僕は多分ほとんどの人に伝わらないんじゃないかな、と思う。

こういう映画の評価を書いていると、良く「原作を読めばわかる」という人がいるんだけれど(サイボーグ009とかも同様)、原作なんか読んでなくても、それなりに楽しめる必要があると思う。それで、この映画は楽しめなかった。評価は☆1つ。

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