2012年11月23日

スカイフォール

skyfall


「Yahoo!映画の試写会は全然「厳正なる抽選」をやっていない」(http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/51349063.html)と暴露したので、もう呼ばれないはずのYahoo!映画レビュアー試写会に行ってきた。今回は川崎のIMAXだったのでかなりウキウキだった。

さて、本題。大人の事情で製作が大幅に遅れていた007がようやく完成した。前作の「慰めの報酬」でようやく「007ビギンズ」に一区切りついたので、どんな映画になるのかなーと期待していたのだけれど、本作も前2作同様、ソリッドな作りだった。遊びがあまりなくて、シリアスなシーンが多い。冒頭からいきなり凄いアクションだったけれど、それは前半で一段落、中盤にドラマシーンが配置され、ラストに派手なシーン。

IMAXということもあって画像も含め非常に楽しめた。

ただ、これまで50年間で作られてきた007っぽさというのはずいぶんと失われていたと思う。007以外のスパイ映画がたくさん作られるようになって、007らしさというのは映画の表現の中で重要なんじゃないかな、と思うのだけれど、どうも(これまでの)007っぽくない。どのあたりからそれを感じるかといえば、まずボンドガールがほとんど活躍しない点。お色気が007の特徴だったと思うのだけれど、それがない。次に、海外ロケの減少。お金がなかったのかも知れないけれど、英国内での撮影がほとんどだったようだ。あと、敵のキャラクターが随分変わった感じがある。以前の敵は、とにかく悪い奴らで、変人たちで、だからこそ、理屈とかは特になかった。「とにかく世界征服じゃ」みたいな。ところが本作は敵には敵なりの、悪の行動原理みたいなものがあった。彼がジョーカーみたいに演説するおかげで、物語中盤ではテンポがガクっと落ちた。

こういった、過去のシリーズ作品を踏襲していない点については目をつぶるとして、ちょっと微妙なのはMI6がダニエル・クレイグ版シリーズの中でも技術的に退化していたこと。発信機が馬鹿でかかったりするのはパロディにしてもいただけない。せっかく東西冷戦の存在しない現代を舞台にしているのだから、もうちょっとそれなりの秘密兵器を出して欲しい。

あと、MのPCをハッキングするほどの腕前がある敵が、なぜHDDをかっぱらうのかが謎。っていうか、そんな大事なものがHDDに保存されているのが意外過ぎる。せめてMには「これだけ税金を投入しているんだから、PCから取り出された時点で自動的に爆発するようにしておきなさい」と命令して欲しい。他にも「なんで氷の上をわざわざ」とか、「逃げ場所としてそこはちょっと」とか、色々と解せないところもあった。が、そのあたりにも目をつぶろう。ただ、それでも何かしっくりこない。なんだろうなーと思い返していて気がついた。ボンドが全然頭を使っていないのだ。脳みそ筋肉で、抜群の身体能力だけでピンチを切り抜けていく。これが、スパイというよりはエクスペンダブルズ的。ドラゴンボール的。ん?いや、でも最後のバトルでは色々と知恵を出していたか・・・。ということは、観る側が色々と忘れてしまったのかな?

と、色々と文句を書いてはみたけれど、実際に見終わった感想は「面白かった」のである。つまり、これが「今の時代の007」ということなんだろう。そこで活躍するボンドが、「私が愛した007」とは違っていても、僕は受け入れるべきなんだと思う。新作が公開されるたびに、「これは僕が好きだったボンドとは違う」と不満を言い続けるのは生産的ではない。あちこちに過去の作品のセルフパロディを配しつつ、全く新しい007シリーズを構築しつつあることを評価すべきだと思う。だって、あのシーンやあの音楽が流れれば鳥肌が立つし、次回作もやっぱり楽しみだもの。いや、その前にゴールドフィンガーあたりを復習して、もう一度観てこようかな?

字幕でハードドライブって出てきて、何でわざわざハードディスクじゃなくてハードドライブっていうのかなぁ、日本では普通ハードディスクなのになぁ、と思った。他にもせっかくfor your eyes onlyなのに、とか、疑問に思うところがあったけれど、なっちゃんだから仕方ないところか。

評価は☆3つ。IMAX推奨。

この記事へのトラックバックURL

http://trackback.blogsys.jp/livedoor/buu2/51371374