2013年06月19日

不道徳教室

fudoutoku


岩松了作、主演大森南朋の「不道徳教室」を観てきた。なぜこれを観たかといえば、大森南朋、二階堂ふみ、黒川芽以という、結構好きな役者がキャスティングされていたからだ。観終わってすぐに思ったのは、やはり芝居はこのくらいの大きさの箱が良い、ということだ。今回は珍しく気合を入れてチケットを確保したので、前から3列目という良い席だったのも大きなポイントだったかも知れない。劇団関係者の知り合いと話をしていると、「全体の構図がわかりやすいから、後方の座席も捨てがたい」という意見がでてくることがあるのだが、最初に観る時はやはり前の方が良い。役者から伝わってくる迫力に代えられるものはない。全体の構図を観たいならビデオでも良いのだから。

芝居は大森南朋演じる先生と、二階堂ふみ演じる生徒の関係を主軸に進んでいく。場面場面の時系列をかなりいじっているので、演劇を観ることに慣れていないとストーリーがわからなくなるだろう。ただ、それでも、ひとつひとつの場面でのおかしさがあるので、退屈することはないと思う。

大森南朋はスクリーンやテレビの画面を通じて見て想像していた演技よりはちょっと押しが弱いというか、芝居よりも映像メディア向きというか、思ったような演技ではなかったのだけれど、これは演出による部分も大きいのかも知れない。一方で二階堂ふみは思った以上に演技派で、これは凄いなぁと感心させられた。大竹しのぶ、宮沢りえあたりに匹敵するような迫力があると思った。今後が楽しみである。黒川芽以の舞台は赤坂で観た「路地裏の優しい猫」以来だが、すっかり大人になっていて、うわー、もう5年以上経っているんだものなぁ、と、年月の流れの早さを実感した(^^;

舞台の転換がなかなか面白いし、色々と見どころが多い舞台だったと思う。怒鳴ってばかりのタクラマカンを観たすぐあとだからかも知れないが、やはり良い舞台は、良い役者が揃っていることが必要条件だなぁ、と思った。

評価は☆2つ半。23日まで、東京・三軒茶屋のシアタートラム。

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