2013年08月13日

ワールド・ウォー Z

wwz


シアターが明るくなって最初に聞こえてきたのは、「ゾンビ映画だと思わなかったのでびっくりした」という声である。そりゃ、ゾンビ映画だと思わずにこの映画を観に来てしまったら驚くだろう。でも、日本の映画界がゾンビ映画をゾンビ映画として広報しないのはこれが初めてではない。数年前に公開されたアイ・アム・レジェンドでも同じ手口でやられた。

アイ・アム・レジェンド
http://blog.livedoor.jp/buu2/archives/50481791.html

配給側としては、それと知らせずに公開して、食わず嫌いを払拭したいのかも知れないのだが、やはりゾンビ映画はゾンビ映画なので、観客を騙して、戦争映画と勘違いさせて動員するのはフェアではないと思う。「WORLD WAR Z」のZはゾンビのZですから。

さて、内容のほうだが、この映画のゾンビは非常に素早く反応するので、なかなか迫力がある。ただ、ゾンビたちは死んでいるという設定なので、視覚や聴覚の神経伝達が機能している理由がさっぱりわからず、観ていてちょっとイライラする。ゾンビたちが人間を取捨選択する理屈もなんだかなぁ、という感じで、もうちょっときちんとした設定にできなかったのかと小一時間問い詰めたい感じである。

カメラワークがせわしなくて何が起きているのか良くわからないシーンが多い。みんなはあれが見えているのだろうか。僕も動体視力には多少自信があるのだけれど・・・。

全般的にスピーディな作りだけれど、前半はテンポが単調で眠くなる。飛行機のシーンあたりからようやく目が覚めてくるのだが、今度は理屈の部分で「???」となってくるので、眠くはならないものの、うーーーんという気持ちになる。主人公はゾンビじゃないのにゾンビ以上に不死身だったりして、スッキリしない映画だった。あ、字幕は松浦美奈。

評価は☆1つ。


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