2013年08月31日

宇宙戦艦ヤマト2199 第七章

リメイク版宇宙戦艦ヤマトもいよいよ最終話である。劇場で観るオープニングムービーは相変わらずカッコイイ(もちろん、歌を含めて)。

さて、ストーリー。旧作との違いはたくさんあって、それはガミラス本星での戦闘の内容とか、古代守の扱いとか、デスラーの最後の襲撃とか、雪の危篤だったりする。旧作の死に行く星ガミラスという設定がなくなってしまったので、アナライザーの「ブンセキカンリョウ、ホウコクシマス。タイキハ、アリュウサンガス。アメハキリュウサン。カイスイハノウリュウサン。ハヤク! ヤマトガトケテシマウ!」がなくなってしまったのは残念。

何しろ全体から「放射能」という概念がごっそり削除されてしまったので、最終的にはあちらこちらに齟齬が生じてしまった。物語全体の考証としては大きな破綻こそないのだが、放射能除去装置コスモクリーナー、そして空間磁力メッキといった有名な装置、エピソードがなくなってしまったのは惜しい。代わりに登場したのはハーロックにおけるトチロー的概念だが、これも正直微妙。

新作は旧作のトンデモ部分をきちんと回収したはずなんだけれど、次元回廊みたいな新しい概念を持ちだしたことによって、また新しいトンデモを生んでしまったのもちょっと残念だった。デスラーが最後の勝負をかけるなら、場所はそこじゃないだろ、みたいな疑問もある。ドメルは相変わらず「とどめは自分で」とか言って大失敗したけれど、デスラーも「艦長の顔を見たい」とか言って最前線に突入するのも「え?」という感じである。本編ではなぜか沖田館長がデスラー総統府に突っ込むという謎の作戦を敢行するあたりも理解を超えていた。宇宙空間で出会ってしまう古代と雪はニュータイプっぽいし・・・。あと、デスラーがなんかチンピラみたい。

何より、最大の「残念」は、ガミラス本星との大決戦が非常にあっさりとしたものになったことだろう。「本星とまともに戦って勝てるはずがない」という考えが背後にあったのかも知れないが、それにしても・・・という感は拭えない。

まぁ、すげぇ高さから飛び込んでもびくともしなかったり、かなりの深度が想像される第三艦橋まで素潜りで到達できてしまうあたりは良しとしよう。

このリメイクについて通して言えることは、「ギリギリまで追い詰められた場所からの大逆転」というカタルシスが失われてしまったことだ。冥王星しかり、七色星団の決戦しかり、ガミラス本星での最後の決戦しかり、である。「ヤマトは完全に沈黙しましたっ!!」という場面が全然ないし、あっても、その窮地っぷりが観る側に伝わってこない。おかげで、そこを挽回した時に爽快感がない。そういう演出面での物足りなさは人物描写の部分にもあって、沖田館長がずっと元気なので、彼の燃え尽きそうな命の悲壮感が伝わってこない。だから、沖田館長が「地球か、何もかもみな懐かしい」と語っても、そうですねぇ、で終わってしまう。

旧作のファンとして一番嬉しかったのは音楽。やはり、ヤマトで重要な役割を果たしていたのは音楽で、それがきちんとバージョンアップしていたのは嬉しい限り。

もともと、地球〜冥王星までと、銀河マゼラン境界領域、七色星団、そしてガミラス本星が見どころで、あとはちょっと中だるみ気味だったのが旧作なので、その部分をどうやってリメイク版でつなぐかというのがポイントだったはず。そこを色々やってみた結果、やっぱりちょっと中だるみという感じになってしまったようだ。加えて、そのせいでこの第七章に大きな影響が出てしまった。第一章、第二章まではかなり良かったと思うのだが。

この作品では次作で登場するであろうガトランティス帝国があちこちに姿を見せていて、多分続編も作られることになると思う。問題はその作品が「さらば宇宙戦艦ヤマト」のリメイクになるのか、あるいは「ヤマト2」のリメイクになるのか、である。できれば、さらばのリメイクでやって欲しい。

もっともっと良くなったと思うし、スタートの時点ではそれを感じさせたので、徐々にそれが失望に変わっていってしまったことは非常に残念だった。でも、映画館で1,500円を払って観たいと思う質は維持できていたと思う。うーーーん、惜しい。

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