怪盗グルーシリーズの第二作。例によって、グルー、三姉妹、ミニオンのバランスが絶妙な上に、本作では新たにルーシーという新キャラクターが登場。一層てんこ盛り感が増した。
前作では極悪人だったグルーが随分と丸くなった上に、トラウマを抱えることになったエピソードを描くなど、人間味が増している。個人的には相変わらずの極悪人っぷりを披露してくれた方が嬉しかったのだが、それだとストーリーの展開が難しかったのかも知れない。月泥棒ほどのスケール感がなかった点もちょっと惜しいと思うのだが、期待はずれということはなかった。あちこちに細かい笑いが散りばめられていて、飽きさせることがない。
音楽までも含め、007やスターウォーズのパロディシーン(しかも、そのうちのいくつかは20年以上も前の作品だったりする)があちこちにあって、大人の鑑賞にも十分に耐える。
唯一残念だったのは、吹き替えばかりで、字幕での鑑賞がほぼ不可能だったこと。日本中の映画館の中で、字幕版での上映が六本木ヒルズ1館のみというのはいかがなものか。日本に住んでいる外人の小さな子供への配慮という点からも、軒並み吹き替えばかりという状況は異常だろう。では、その吹き替えが凄く良いのか、と言われれば、これまたちょっと否定的にならざるを得ない。何しろ、グルーが関西弁というのがいただけない。慣れないうちは、英語でも日本語でもないこの言葉はなんだろう?と考えてしまう場面があった(いや、関西弁は日本語だけど)。大体、子供向けの映画なのだから、使われている英語だってそれほど難しいとも思えず、原語での上映はもっとたくさんあってしかるべきだろう。
評価は☆2つ。字幕版だったらもうちょっと評価は高かったと思う。