僕は鴨居から徒歩10分ぐらいの東本郷町で育ったので、中山は昔から良く知っている。今、放送を担当している日の出テレビのスタジオも中山から10分ほどのところにあるので、去年までは週二回、中山に行っていた。なので、中山駅のすぐそばで事故が起きたことはとても残念だったし、「もしかして、知り合い?」と心配にもなった。
そんな事故だけれど、ネットで話題になったこともあってか、あちこちのレベルで、書状やら、感謝状やらを送るという話になっていて、やれやれ、という感じである。
JR横浜線踏切事故:救助女性に書状と紅綬褒章、菅長官「勇気胸に刻む」/神奈川
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131004-00000040-kana-l14
<横浜線踏切事故>神奈川県なども感謝状
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131004-00000135-mai-soci
死んでしまった人は、感謝状を送っても戻ってこない。はたして行政がやるべきことはこんなことなのだろうか。正直なところ、政治家のパフォーマンスにしか見えない。何がまずいのか、考えて、改善につなげることが、行政としては一番大事なはずだ。踏切の状態を改善しなければ、また同じことが起きるかもしれない。
では、こういう事故をなくすためにはどうしたら良いのか。まず最初に思いつくのは、踏切をなくすことである。僕が知るかぎりでは、中山〜鴨居間には大小3つの踏切がある。もしかしたら、もっとあるのかも知れないが、その3つは、非常に良く使う。このうち、一番やばい感じがする踏切が白山町の、昔白山ボウルがあったあたりの踏切で、幅が狭い上に、踏切が盛り上がっていて、車高が低い車なら乗り上げて身動きが取れなくなってしまいそうだ。
現地のストリートビュー
横浜線のような古い路線には、踏切がたくさんある。これを全部なくすためには、全線を高架にしたり、あるいは地下化しなくてはならず、非常に難しい。
では、どうしたら良いのか。手っ取り早い方法は全ての踏切に監視員を置くことだろう。三交代制ぐらいにしておけば、トイレや食事の時間さえなんとかクリアできるなら、一つの踏切あたり一日2〜3万円程度の費用で監視できるはずだ。
非常ボタンをきちんと整備して、わかりやすい状態にしておいたとしても、たとえば自殺しようとする人がいたら、普通の人では対応が難しい。高性能な検知器を開発しても、自殺を制止することはかなり難しそうだ。
それなら、毎日、現場を監視する人間を配置したほうがずっと確実である。人間が見ていても自殺する人は自殺するかもしれないが、機械で監視するよりは抑止力がありそうな気がする(あくまでも主観)。これなら、雇用も増える。何でもかんでも自動化するのではなく、人間を使って、雇用を生み出していくという観点も必要なはずだ。
安全確保と、雇用創出という二重の意味において、各踏切には監視員を配置したらどうだろう。だれがそのお金を負担するのか、という大きな問題は残るのだが、横浜市が待機児童0を実現するために投入した費用は3年間で370億円と言われているので、それに比較すればずっと安価で済むはずである。