2013年10月12日

教育再生実行会議の提言が酷いので その1

一体どんな会議をやったら「人物評価重視の入試」なんていう提言になるんだよ、と思って、教育再生実行会議の過去の議事録を探してみた。興味の焦点は大学教育なので、そのあたりの議論をやっている、第六回の議事録を手始めにチェック。以下、引用しつつコメント。


教育再生実行会議 第6回議事録
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai6/gijiroku.pdf

5P
○福井文部科学副大臣
日本の高等教育も質・量ともに充実・強化していく必要があるというのが1ページでございます。2ページ、こうした考えのもとに「大学を核とした産業競争力強化プラン」

大学は勉強する場であって、産業競争力を強化する場ではない。

○福井文部科学副大臣
技術と経営を俯瞰したビジネスモデルを創出できる人材の育成が必要

教員の中に技術と経営を俯瞰したビジネスモデルを創出した人間がいないのに、どうやって教育するのか。

◯福井文部科学副大臣
大学からベンチャー支援ファンドなどへの出資を可能とする制度改正を検討

ベンチャーキャピタルに騙されているのが見え見え(笑) 企業にとって、直接金融による資金調達は最もリスクの大きな手法。できれば避けたいし、特に大学のような経験の浅い組織に株を持たれるのは避けたい。しかし、インチキベンチャーキャピタルの立場からは、少しでもリスクマネーの額を減らしたいので、ド素人が自分たちの投資に相乗りしてきてくれるのはとてもありがたい。ファンドマネージャーが無能であればあるほど、利用価値が高い。まっとうなベンチャーキャピタルにとっては逆。馬鹿な投資家がいると、経営が面倒になる。

6P
○山内委員
研究や論文の引用では世界のトップ水準にあることは事実なのですが、国際化におきましては総合得点が29.2でありまして、ほかのトップ大学のおよそ3割程度の評価しか与えられておりません。これは日本の大学が総じて留学あるいは交換留学、国際化に消極的であるということの評価でありまして

日本語で授業をやっている以上、日本語ができないと留学は困難。しかし、日本語ができても、日本でしか役に立たない。これでは、優秀な人材は集まらない。大学が悪いのではなく、日本の経済力が低下し、日本そのものに魅力がなくなったのが主原因と予想。同じ留学なら、英語圏の大学に行くのが当たり前。

◯大竹委員

結構まとも。

7P
○加戸委員
先ほど産業競争力会議での下村大臣のペーパーを拝見しまして、すばらしいなと思いました。極端なことを言いますと、これはそっくりこのまま本会議の提言にしても十分できるのではないかと思ったぐらいであります。

こいつ、馬鹿だな(笑)それに連なる発言も、ほとんど馬鹿。こいつ呼んだの、誰だよ(笑)

11P
○川合委員

この人もかなりまとも。

16P
○曽野委員
生きるためにはやむを得ないというような限度を少し教育の中でお披露目いただきたい。

何言っているのかちょっと良くわからない。

21P
○佐々木委員
イノベーション人材の育成に関してですが、いい意味で常識的ではない人が、既成概念にとらわれない人が、常識を打ち破ってイノベーションを引き起こしていくと思いますが、そういう人材、要はイノベーションを生み出す人材がなかなか育たないのは、特に小学生、中学生の学校教育で、正しい答えは一つしかない、間違ってはいけない、失敗してはいけないという雰囲気を生み出してしまっていることが大きな問題なのではないかと思います。

前半はそのとおりだけど、後半は飛躍がある。正しい答えは一つしかなくても、そこに至る考え方には色々なものがあって、答えが一つだからといって個性を無視するのと同値では、必ずしも、ない。このあたりが「人間本位の入試」というトンデモにつながっていくのだろうか???

23P
○八木委員
我が国と郷土を愛する態度を養うという視点は大学教育あるいはグローバル人材、イノベーション創出人材の育成においても重要だということを確認しておきたい

小学校、中学校で終わらせておけよ(笑)


あと、この会議に提出された八木委員作成の資料の、「具体策」が面白い。一応、抜粋しておく。

「大学教育・グローバル人材育成」についての私見
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai6/s5.pdf

‘本語を国連の公用語にすることを目指す。それを日本の安保理常任理事国入りの第一歩として位置付ける。
海外に派遣される公務員のための「日本教育」プログラムを文部科学省が作成し、実施する。
F本のすばらしさを発見し、それが世界に受け入れられるように発信できる方法を研究するシンクタンクを設ける。
い海離轡鵐タンクが開発したプログラムを教える講座をグローバル化を目指す大学に設置する。
イ曚楞瓦討旅餾歸な知識を日本語で学ぶことができるまでにした先人たちの努力の意図に思いを致し、無批判な欧米基準への追随や経済的利益の追求には警戒心を抱き、日本文明の幸福基準を明確に自覚し、その上で外国人と対等に交流できる人材の育成を目指す。
Π幣紊里茲Δ頁Ъ韻卜った上で、今日のグローバル社会の共通言語である英語をコミュニケーションの「道具」として習得することを促進することは必要である。英語で「日本」を発信できる人材の育成を目指す。


日本文明の幸福基準って、なんだこりゃ(笑)


この第六回議事録を読んで強く感じるのは、もういい加減、退場してもらったほうが良いんじゃないの?という人たちがたくさん委員として名前を連ねているということ。平均年齢はいくつなんだろう。加齢臭が物凄いのだけれど。こういう有識者会議も、委員の平均年齢は40歳ぐらいを目指すべきなんじゃないだろうか。

また時間があるときに続きを読んでツッコんでみたいと思います。どこで「人物評価重視の入試制度」になっちゃったのか、明らかにしたいと思います。


◯関連エントリー一覧

教育再生実行会議の提言が酷いので その1
http://buu.blog.jp/archives/51414219.html

教育再生実行会議の提言が酷いので その2
http://buu.blog.jp/archives/51414254.html

教育再生実行会議の提言が酷いので その3
http://buu.blog.jp/archives/51414397.html

教育再生実行会議の提言が酷いので その4
http://buu.blog.jp/archives/51414444.html

この記事へのトラックバックURL