2013年10月14日

教育再生実行会議の提言が酷いので その4

過去エントリーはこちら。
教育再生実行会議の提言が酷いので その1
http://buu.blog.jp/archives/51414219.html

教育再生実行会議の提言が酷いので その2
http://buu.blog.jp/archives/51414254.html

教育再生実行会議の提言が酷いので その3
http://buu.blog.jp/archives/51414397.html


さて、そろそろ佳境かな?と思った第10回なのだが、さにあらず。この回は、海外の事例を調査して、それをベースに議論しているので、コメントが評論家的であまり面白くない。ツッコミという点で興味深い意見もちらほらあるのだけれど、あまり内容がないのでスルー。興味のある人は議事録をどうぞ。

教育再生実行会議 第10回議事録
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai10/gijiroku.pdf


ということで、続いて第11回の議事録を見てみる。


教育再生実行会議 第11回議事録
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyouikusaisei/dai11/gijiroku.pdf


前半は高校教育についてなのでパス。後半の大学についての議論をピックアップ。

14P
○八木委員
今後、我が国の大学においてどういう人材を育成するのか、あるいは社会としてどういう人材の育成を求めているのかということを考えると、一部の専門的な知識に特化した人たちではなくて、幅広い国際的な教養を持ち、かつ語学力を含むコミュニケーション力があり、さらに日本人としてのアイデンティティをしっかり持っている、そういう人材だと思うのです。

え??? まぁ、そういう意見があっても良いし、そういう大学があっても良いけれど、「専門的知識を持ったスペシャリストではなく、教養と語学力を持ったゼネラリストを育成します」と表明している国公立大学って、あるの???

大半の大学はむしろ教養学部といいますか、そういったものにしていくほうが、あるいはそういった方向に導いていくほうが社会のニーズには合っていると思います。

大学って、社会のニーズを満たすためにあるのか??そりゃぁ、専門学校なんじゃないの??

大学はあくまでも研究機関だと思っているわけです。高等教育機関ではあるのですけれども、教員の認識としては研究機関なのです。その教員の研究にいわば学生はつき合わされている。

うーーーん、これも微妙。僕が知っている大学は、研究と教育の両方の機能を担っている。教育は、社会のニーズなんかとは無関係に、研究フィールドで活躍できる人間を育成する目的でやっている。この、八木っていう人はどこの三流大学の先生なんだろうな、と思ったら、高崎経済大学だそうで。まぁどうでも良いけど、八木さんの頭は悪そうだな。

15P
○川合委員
今の八木委員の御意見は、私は一部大変賛同するところであります。ただし、4年制の大学全てがそれでいいかというと多分そうではなくて、前半の時期では、早期のところはやはり本当の意味での高等教育機関として、きちっと幅広い、しかも少し高度に専門化したところも含めた教育をすべきだと思います。

賛同するのかよ!!と驚いたのだが、その後で否定しているので安心した。要すれば、「お前の高崎経済大学はそういう職業訓練的色彩が濃くても良いかもしれないが、ちゃんと高度に専門化した教育をやる東大のような大学も必要だ」と言っている(笑)。実際、研究者として使い物になる人材は相応の大学で教育を受けている必要があって、逆に三流大学で勉強してきた人間にトップレベルの研究をやるのは非常に難しい。大学を分業化しよう、という主旨なら、十分に理解可能。

16P
○山内委員
私たちがここで問題にすべきは、要するに高校生において格別集団主義とか集団意識の強調ではありません。規範意識、つまり社会的なルールや人間として守るべきいろいろなけじめのようなもの、そうしたことについてますます欠けてきていることが問題なのです。これをどこで基本的に教えるかというと、地方の公立学校教育と良質な家庭のしつけということであります。

あぁ、つまり、低偏差値の国公立大学ではスペシャリスト教育は望むべくもなく、職業訓練学校的な内容に変更していくべし、ということなのね。それはそれで一つの見識ではある。でも、それなら大学の先生は総とっかえしないとだよね。大学には、職業教育のスペシャリストはほとんどと言って良いくらいにいないでしょ。

20P
○佐々木委員
きっちりとした法整備の中で、トップがリーダーシップを発揮することができる環境作りが、ベストな大学ガバナンスの在り方だと思います。

大学を法律できっちり縛り上げろ、という意見だけど、それをやると一層大学の個性がなくなるんじゃないの???どうしてこうやって規制、規制で思ったような枠に押し込めようとするんだろう。その思考回路がイマイチ理解できない。とはいえ、大学の教員を全部有期雇用に切り替えるとか、そういう方向なら理解可能。

21P
○山内委員
最後には教授会の権限の見直しや終身任期の教員の既得権益の問題がかかってくるという、それをどう突破するかということを具体的に議論しないと、我々の議論はむなしいものになります。

これはその通りだと思う。対象が既得権益なら、大鉈を振るうべき。


と、ここまでで第11回は終了。まだ全く「人物本位の入試」という方針はでてきていない。第12回の議事録が公開されるのを待つことにする。


◯関連エントリー一覧

教育再生実行会議の提言が酷いので その1
http://buu.blog.jp/archives/51414219.html

教育再生実行会議の提言が酷いので その2
http://buu.blog.jp/archives/51414254.html

教育再生実行会議の提言が酷いので その3
http://buu.blog.jp/archives/51414397.html

教育再生実行会議の提言が酷いので その4
http://buu.blog.jp/archives/51414444.html

この記事へのトラックバックURL