10兆円とも言われる日本の秘密資産M資金を巡るコン・ゲームが展開されるのかと思ったらさにあらず。M資金をチラつかせてケチな詐欺をやっていた主人公が、M資金の活用を巡る日米の経済戦争に巻き込まれていくという社会派ドラマ(?)だった。
これが、全然面白くないから困ってしまう。
何と言っても、詐欺師という設定が全く役に立っていないのが酷い。詐欺師が活躍しない上にむしろ足を引っ張っているので、何でこいつを引き込んだんですか?となる。豪華な海外ロケは、やっぱりアレですか?スタッフの皆さんが海外旅行したかったんでしょうか?なんか、風呂敷を広げるだけ広げておいて、それだけ、という感じ。テロ国家、国連、ヘッジファンド、詐欺師、M資金、ロシア、ウォール街・・・と、キーワードだけはご立派だけど、内容が全くついてきていない。挙句、PDAを貧乏国に配って何ができるというのか。水没させたら誰が直すんだよ(笑)ハードだけ配っても世界は変わらない。広げた大風呂敷の中心でショボイ人類愛を叫んでいる感じ。
脚本もかなり雑で、説明調のセリフばかりの前半で眠くなってくる。また、脚本家自身が状況を把握できていないので、「ブレーカー!」と素っ頓狂な指示を出す始末。「お前がやれよ」と思ってしまう。他にも「往復ビンタ」みたいな一般人でも知っていることを一流詐欺師が知らなかったり、細かいところで突っ込みどころ満載。福井晴敏って、脚本の才能ないなぁ、と思った。他に何か脚本書いているのかな?と思って探してみたらキャプテン・ハーロックだった。こちらももちろん脚本のせいで駄作である。
キャプテン・ハーロック
http://buu.blog.jp/archives/51410100.html
あ、そうか、国連の演説シーンはZガンダムの「ダカールの日」のパロディ?
香取慎吾が大根っぷりを発揮していて凄い。英語も下手。そもそもこの人の声は役者として致命的なくらいにハリがない。こういう骨太な映画は無理なので、アニメの実写化とかで活路を見出すべき。一方で森山未來は良い演技だったし、英語もかなり良かった。
見せ方という点では、テレビの画面を映画の画面に乗せる方法が酷く、もうちょっとなんとかならなかったのかと思う。安っぽいはめ込み画像になっていた。
あと、音楽は良かったと思う。それと、駅前留学だけは笑えた。
評価は☆ゼロのところ、森山未來の英語におまけして☆半分。