
スピーディな登場人物紹介から始まって、トランプの手品で映画の観客までも引っ掛けて(ここで引っかからない人はお気の毒)あっという間に映画に取り込み、おなじみのカーチェイスぐらいまでは派手なBGMを上手に使って一気に観させてしまう。その後、ちょっと中だるみするけれど、スピード感はそこそこ維持して最後まで駆け抜けてしまう。特に最初のラスベガスのショウまでは息もつかせぬ、という感じ。
マジックのシーンもきちんと説明があるし、キーになる場面は映像できちんと表現されている(気が付きにくいけど)ので、やりっぱなしという感じもない。
部分的には、カーチェイスの顛末など、ちょっと無理やり過ぎるところもあるけれど、映像と音楽でグイグイ引っ張って行かれてしまうので、観ている最中にはあまり気にならない。
ただ、一番凄いのが銀行強盗で、そのあとのマジックはちょっと尻すぼみな感じがある。できれば、その後の2つの4人のマジックシーンを銀行強盗編ぐらいまでしっかり書き込んだらもっと良かったのに、と思う。
特撮を上手に盛り込んでいて、テンポも良く、しかもそこそこにメリハリをつけている。それを音楽が後押しするので、細かいところにツッコむ余裕を与えない。後から良く考えると「あれ?」となるのだけれど、マジック同様、そういう斜に構えた観方をしてしまうのは野暮だよね、と思わされてしまう。細かいところは気にせず、製作サイドの意向に流されて楽しむのが吉だろう。
映画マニアは「?」と思いそうだが、休日にちょこっと気分転換でも、とか、デートに映画でも、という向きにはぴったりな映画だと思う。評価は☆2つ。