2013年11月13日

清須会議

三谷幸喜監督作品ということで喜劇なのかと思って観に行ったら普通の歴史劇だった。確かに楽しいシーンはいくつかあるけれど、「喜劇」という感じではない。喜劇なら、もっと笑いに徹底したところがあるべき。

じゃぁ、三谷っぽさがないかといえばそんなことはない。ここ数年の三谷色というのは「俺って、こんな俳優さんとマブなんだぜ」「こんな有名人でも、ほんとちょい役で出てくれるんだよ」というのが画面の端々から垣間見えてしまう点である。好意的に捉えるなら「わー、すごいー」となるが、悪意を以ってみるなら「内輪受け、映画ゴッコ」となる。僕の見方は後者に近い。

喜劇というメインストリームを外した状態でこのストーリーを俯瞰すると、まず第一に「ほとんど誰でも知っている結末」というのが痛い。映画のあと、登場人物たちがどうなるかを知っているということによっての楽しみはあるのだが、それ以上に、映画の中でのびっくりがほとんど存在しないので、映画が退屈である。

予定調和のストーリーを有名俳優に演じさせ、その中にチョイチョイっと笑いを盛り込んだ、という感じで、有名デパートのお食事コーナーで日替わり定食を食べたような感じである。別に不満はないけれど、美味しいものを食べたねぇ、という満足感もない。フジテレビ製作なので、そのうちテレビでやるだろうから、録画しておいて暇な時に観るのが良いと思う。

あ、藤吉郎とか、このころの固有名詞には何の説明もないので、歴史に疎い人は十分に楽しめないかも?一応、本能寺の変の前から関ヶ原ぐらいまでの歴史を、柴田勝家、丹羽長秀、羽柴秀吉、池田恒興、滝川一益、織田家あたりを中心に復習しておくと良いかも知れない。

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