2014年01月19日

ほとりの朔子

二階堂ふみの最新作ということで、舞台挨拶つきの初日公開を観てきた。

正直に言えば、評価はハズレ。多分、こういう映画が好きな人もいるんだと思うが、僕には合わなかった。方向で言えば、「めがね」のような作品で、大きな展開がないままに淡々と進んでいく。長回しを多用した撮影手法、灰色の空に灰色の海といった日本らしい海岸の描写、BGMを極力使わない演出、これらの全てが、少しずつ僕の好みからはズレていた。おかげで映画はかなり長めに感じたし、眠気も強かった。

大人と子供の境界領域にいる女の子を描いたという主旨はわかるんだけど、あまりにも遠回しで、隔靴掻痒な感じがする。こういう表現手法がありだということもわかった上で、もうちょっと良い作品にできるんじゃないかな、と思う。特に感じたのがややわざとらしく感じられてしまう会話シーンの演出で、おばさん数名による会話のシーンがことごとく不自然に感じられた。

二階堂ふみを目当てに行ったので、他の俳優についての事前情報は何もなかったのだが、あれ?この人、最近どこかで見た記憶が・・・と引っかかる役者さんがいて、頑張って思い出したら、ごちそうさんに出てきた詐欺師のおじさんだった。

「いちだんらく」を「ひとだんらく」と喋っているシーンが修正されていないのもちょっと残念だった。どうして最近の表現者はこうやって日本語に対して杜撰なんだろう?「ひとだんらく」と言ってしまうのは「ひとあんしん」とか、「ひとくろう」との混同なんだろうが、この作品の関係者が誰一人として気が付かないというのは困ったものだ。

評価は☆1つ半。


以下、写真撮影不可だった舞台挨拶の概略。

挨拶
深田監督:本日はたくさんの映画が公開される中、この映画に来ていただきありがとうございました。素晴らしい俳優さんたちが出ているので、その演技を楽しんでいただきたいです。少しでも面白いと感じたら、友達などに「こんな映画がある」と知らせて欲しい。

鶴田:今日は寒い中ありがとうございました。私も観て、「良い映画だったな」と思った。お気に召したら、宣伝お手伝いよろしくお願いします。

二階堂:今日は劇場まで足を運んでいただきありがとうございます。ようやく皆さんに観ていただける日を迎えることができて嬉しいです。これを観て、黒執事も観ていただければと思います。マイナスイオンたっぷりの映画なので、癒やされて帰っていただければと思います。

太賀:今日はありがとうございました。これからみるんですよね。どう受け取ってもらえるか、どきどきしている。楽しんでもらえたら・・・すいません、何言ってるんだろう。パニクってます。自分にとって、この作品は素敵な出会いがあって、僕にとっても特別な映画になっていて、自分が出ていながらも、胸を張ってこれは面白いなと言えます。

杉野:初日に来ていただきありがとうございます。この作品は一昨年の夏に撮った作品ですが、夏に撮った作品が真冬に公開され、ちょっと季節外れな感じですが、夏を恋しがって観ていただければと思います。プロデューサーとしてはベストな配役ができたと言えるほど、皆さんはまり役なので、演技もちゃんと観ていただけると嬉しいです。

一問一答
「今回、若い女の子を描いた背景は何ですか?」
監督:2012年に二階堂さんが私の映画を観てくれて、気に入ってくれたということを耳にした。その後、多摩映画祭でお会いした際に「じゃぁ撮りましょう」ということからスタートした。二階堂さんで何か作ろうというところからスタートして、じゃぁ、バカンス映画でどうか、とみんなで話し合った。バカンス映画はヨーロッパには良くあるし、ジャンルがあるけれど、日本でバカンス映画というのは矛盾があって、そもそも日本にはバカンスがないじゃん、というのが面白かった。日本でバカンス映画というと、フリーターとか、30代、40代でも成長できないとか、精神的に成長できないダメな大人に行き着いちゃうんだけど、私としてはそうはしたくないな、と。それで、浪人生という設定を借りて、限られた時間の中で何でもできるけど何もできないという、いわば自由なバカンスの時間を描けたんじゃないかと思う。

「大変だったエピソードなど、ありましたら教えて下さい」
鶴田:大変だった思い出が残っていない。夏休みの思い出という感じ。ふみちゃんのおばという役だったが、その立ち位置が物凄く良くて、娘のようだけど、親ほど責任がなくて、ある種友達のようにも接しられるし、でも、人生の先輩としてアドバイスもできるし、おばと姪という関係が楽しかった。

二階堂:苦労は何もなかった。夏休みに川に遊びに行った感じ。他の作品と掛け持ちしていて忙しい時期だったこともあり、もう一本やっていた作品が激しい役だったので(「地獄でなぜ悪い」のこと)、そこで戦って、こちらでのんびりボケーとして、鶴田さんとおしゃべりして一日が終わる感じだった。海に入って、川に入って、大賀君と遊んで、そんな現場だった。

太賀:バカンスに行ったという感じで撮影のことを覚えている。この映画自体も凄く記憶の肌触りみたいなものと似ていて、それが・・・あれ?何の話でしたっけ?あの、そんな映画だと思っていて、自分も思い出してみるとそこにいただけという、出会い頭の物語みたいだった。たまに、記憶の片隅にあるものを引っ張りだすことができるような作品だった。観た人がどう思うのか、楽しみ。

杉野:最近の日本映画にはない雰囲気になっている。何も考えずに観ても楽しめるし、あのセリフってここにつながっていたのかな、と、良く考えても楽しい。疲れているなら、眠っているような気分で観てもらえたら。五年前に太賀君と一緒に仕事をしたいと言ったのに、彼はそれを忘れていて、(太賀:覚えてます)覚えてます?まぁ、いいや。皆さんのことは人間としても大好きだし、役者としても尊敬している方々なので、そういう方々と一緒にやれて良かった。

最後に監督から
監督:とにかく、2時間5分、ちょっと長めですが、楽しんで下さい。もし良かったら、感想など教えてください。

この記事へのトラックバックURL