2014年02月18日

関東地方の積雪対策について

色々なレベルで発生する交通マヒだが、ここでは山梨や群馬で発生した交通マヒについて記述する。

今回の大雪の際、たまたま埼玉県から群馬県に至る、主に国道17号の交通マヒのまっただ中にいたので、群馬県の国道沿いでなぜ交通がマヒしたのかについて書いておく。

まず、最大の原因は大型車である。大型車は小型車に比較して雪に弱く、またチェーンを利用することが多いので、路面の状況を悪化させる。そして、一番筋が悪いのは、動かなくなったトラックを乗り捨てて、どこかへ行ってしまうドライバーがたくさんいるのだ。その際、当然、最初は停めやすい場所に乗り捨てるのだが、場所がなくなると、所構わず乗り捨てる。結果として、トラックによって道が完全に封鎖されて、まだまだ動ける小型車まで身動きが取れなくなる。



(多くのトラックは運転手不在である)

一定の積雪量を超えた場合は、幹線道路の大型車通行を禁止するだけで、状況はかなり改善するはずだ。どうせ動けないのだから、大型車の通行を禁止してもどうということはない。

次に挙げられるのが、アスファルトの性能である。東京〜群馬を往復する間で、熊谷市の中心部を走っている時だけ、路面の状況が非常に良くなった。これは、おそらくアスファルトの透水性が高いことが原因だ。透水性が悪いと雪がシャーベット状になり、それがチェーンによって塊化する。この状態で温度が下がると、走行感が非常に悪くなるし、スピードも出せなくなる。ただ、アスファルトの張替えにはお金も時間もかかる。

アスファルトの性能に関わらず、チェーンの使用による路面状況の悪化というのも見逃せない。スタッドレスタイヤなら、路面は平たく圧雪されるのだ。また、ドライバーの腕という要素もある。内地のドライバーは前に通った車のあとを追いたがる。これがスタッドレスタイヤのドライバーならまだしも、チェーンを使っているドライバーまでもが轍を走りたがるので、轍がどんどん深くなっていくのも困った現象だ。轍が深くなると、車高の低い車がそこに乗り上げて立ち往生する。ある程度の深さになってしまうと車線変更はもちろん、轍から脱出することすら困難になるので、すべてのドライバーがなるべく広く雪を潰していくように走る必要がある。しかし、運転者の運転技術の向上というのもなかなか難しい。



(このあたりの轍はまだまとも)

また、意外と多かったのが交差点での立ち往生である。普通の道路は轍ができていて、そこを走っていればなんとかなるのだが、交差点は色々な車が色々なルートで走るので、轍が形成されていない。その上、交差点内部にも雪の塊ができてしまうので、これに乗り上げる大型車が頻発する。



(大型車が交差点内で立ち往生すると、それだけで交通はマヒする)

この他、雪が路肩から溜まっていくことによる車線の減少なども挙げられるのだが、対応も簡単ではない。

一度交通がマヒすると、車によって圧雪されていた路面に雪が溜り、小型車までも交通が困難になって悪循環を招く。程度の問題こそあれ、そこそこの積雪なら交通はあった方が良い。

そして、もう一つ。「今はこの道が通れる」といった情報が全く提供されていなかった点も、混乱を招いていた。四輪スタッドレス、FFの小型車ならいくらでも走行可能な道路があるのに、そういう情報が全く提供されないので、幹線道路の混雑に拍車がかかる。今回は完全に機能不全に陥った国道を離れ、県道などの細い道を駆使することによってかなり渋滞を回避することができた。しかし、そういう道に飛び込むには、それなりの装備と運転技術も必要だ。「この程度の自動車なら、こちらの道を利用可能です」といった情報の提供は、慎重になった方が良いのかも知れない。

結局のところ、大型車の交通を規制し、同時に小型車の往来を確保し、チェーンよりもスタッドレスの利用を増やすことによって路面状況の悪化を防止することが手っ取り早い。

ところが、安倍首相はこんなことを考えているらしい。

安倍首相、道路の通行確保指示=非常災害対策本部設置―大雪被害
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140218-00000090-jij-pol

「次の降雪に備え除雪態勢を加速させる」だそうで、120年に一度の大雪にびっくりして除雪態勢を整えるというのだから、へそでお茶を沸かすというもの。除雪のためにはインフラの整備が不可欠で、整備したら整備したで維持費がかかる。こういうところにお金をつぎ込んで人気取りができると思っているところがこの政治家の頭の悪いところだ。きっと、雪の中を運転した経験もほとんどないのだろう。

豪雪地帯ならともかく、滅多に雪が積もるわけでもない地域に除雪のための態勢など必要ない。交通マヒは人災の色彩が濃いので、何がダメだったのかを共有し、その上でどうしたら良いのかを考えるべきだろう。必要なのは、適切な規制とドライバーへの情報提供(スノードライブなどに関する技術情報を含む)ではないのか。

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