2014年02月19日

ジャッジ!

広告代理店の下っ端社員を主人公にしたコメディで、ホイチョイプロダクションの気まぐれコンセプトを実写化したような趣き。ちょっとした笑いがあちこちに散りばめられていて楽しめる。とはいえ、あくまでも小ネタの集合体で、大爆笑というわけではない。

世界的なCMコンテストに日本のCMが3本もノミネートされていたり、全編通して現実味は薄いのだが、お馬鹿映画と開き直るならそれほど気にならない。

北川景子演じるヒロインがただのギャンブル好きで、仕事ができる気配が皆無。キャラ作りに失敗していて、彼女に魅力がないのは大きなマイナス。豊川悦司やリリー・フランキーが比較的良いキャラなのと対照的である。ヒロインがストーリーを引っ張り切ることができないので、物語には深みがない。

お金がなかったのか、画面から華やかさが全く感じられず、このあたりは無駄にゴージャスだったディカプリオの華麗なるギャツビーあたりを参考にすべきだっただろう。貧相な表現に終始しているので、サンタモニカで開催しているはずなのに熱海が舞台のような場末感がある。

この他にはこれといって大きな欠点が見当たらないのだが、一方で素晴らしく魅力的な点も見当たらず、ちょっとした笑いが盛り込まれただけのコメディ映画になっている。広告マンたちが広告業界を舞台に映画を作ってみました、という点でやはり気まぐれコンセプトの実写化という表現がしっくり来ると思うのだが、あれは4コマ漫画。見開きページで3つのショートストーリーならオッケーでも、2時間の映画となると、ちょっと苦しいところもある。

ただまぁ、個人的にはこのくらい楽しめて1000円なら文句はない。1800円だと、ちょっと、というレベルだと思う。評価は☆1つ半。

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