2014年04月11日

ラーメンと健康(1997.9.21.の記事を再掲)

佐野実氏が亡くなった。

病室ですすった最後のラーメン 亡くなった佐野実さん
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140411-00000039-asahi-soci

どうやら重度の糖尿病だったようだ。ラーメンを食べる頻度が高い人間にとっては人ごとではないので、参考までに過去に書いた「ラーメンと健康」をそのまま転載しておく。なお、最近は身近に良い内科医がたくさんいるので、近日中に最新版「ラーメンと健康」を発表する予定である(現在、医者に内容をチェックしてもらっている状態)。

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ラーメンの栄養価を調べてみると、大体蛋白質30g、脂肪10g、炭水化物90g、塩分6グラムといったところである。総カロリーは550-600kcal程度。栄養のバランスから考えるとNa以外のミネラル、ビタミン、食物繊維などが非常に少なく、炭水化物、塩分が非常に多い。蛋白質も質的にはあまり良いものとは言えず、栄養面 からは完全な嗜好品といえる。もちろん、時々ラーメンを食べるのであれば、不足している野菜や乳製品などを適切に摂取すれば良いのだが、こればかり食べているとちょっと困ったことになるだろう。思い付くところで考えられる障害をあげてみると肥満、高脂血症、高血圧、肝機能障害、腎機能障害、動脈硬化、胃癌、糖尿病・・・・。これらはどれも生活習慣病であるから、食生活だけが関連するわけではもちろんないが、ラーメンを頻繁に食べる生活を続けていれば、こういった病気になってしまう可能性はそうでない人に比べて当然高くなる。

時々、ラーメンを大量に食べているにもかかわらず、全然太らない人もお目にかかるのだが、これはあくまでも「太らない体質」によるもので、上にあげた症状のうちの一つが発症していないだけである。当然塩分を処理するために胃、肝臓や腎臓に負担がかかるわけで、太らないから体に負担がかかっていないというわけではない。同様に、糖尿病になりにくい人もいるし、高血圧になりにくい人もいるわけで、こういった症状が出ないからといって油断してはならない。生活習慣病は環境要因もさる事ながら、遺伝的資質というものも大きく作用すると考えられている。したがって、広い世の中には全然太らない、肝臓や腎臓も頑丈、血圧も問題ない、という鉄人も存在するのかもしれないが、今のところそういった人にお目にかかったことはない。僕自身週に5杯ぐらいはラーメンを食べるのだが、この状況で自分の体調をベストに保つのは非常に難しい。感覚的にいうと、僕の場合で適量 はせいぜい2杯/週といったところだろう。最近は明らかに食べ過ぎなので、ちょっと習慣を改善していかなくてはと考えている。

糖尿病や動脈硬化は一度発病してしまえばあとはそれとうまく折り合いをつけて行くしかなく、治療は非常に困難である。当然嗜好品にもドクターストップがかかるので、隠れて食べるにしても、気持ちよくラーメンを食べる、ということはなかなか出来なくなる。自分がラーメン屋であるとか、そういったなんらかの理由があって食べざるをえない人を除いては、「時々美味しいラーメンを食べて、人生を潤わせる」というのがごく普通 のラーメンの楽しみ方だと思う。美味しいラーメンでもまずいラーメンでもほぼ同じように健康をそこなう可能性があるのであれば、「まずいラーメンを食べること」は大きな損失である。したがって、ある程度ベーシックな知見(例えば「トンコツ系が好き」だとか、「味噌ラーメンが好き」だとか、そういった自分の嗜好が把握できる程度の知見)を収集した後には、テレビ、雑誌、ホームページ等の各種情報ツールを有効利用して、なるべく美味しいものだけを食べたいものである。例えば魔人ブウ*ラーメンデータベースを参考にするのなら、やはり3点以下の店は避けたほうが無難であろう。なかにはうまい店もあるかもしれないが、その可能性は例えば8点の店に比較すれば著しく低い。味というのは個人の主観であるから「絶対評価」というのは勿論有り得ないのだが、「一つの可能性の提示」として、有効利用していただければ幸いである。
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初出:魔人ブウ*のラーメンデータベース ブウ*の視点「ラーメンと健康」
http://www.netlaputa.ne.jp/~buu/shitenhonbun.html#8

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