2014年04月16日

とんかつ山本

京都にも美味いとんかつ屋があるかも知れない、ということで、調べてみたら評価が高い店があったので、訪問してみた。さぞかし混雑していることだろうとびくびくしていたのだが、入店してみるとガラガラ。客は誰もいない。

席についてメニューを見ると、昼はサービスメニューのみである。しかも、一番高いのはへれかつ定食1,900円である。ひれかつ定食で2,000円以下の店で美味しい店はほとんど皆無なので「しまった」と思ったのだが、後の祭りである。清水の舞台から飛び降りるつもりで、へれかつ定食を注文した。

小鉢と香の物が先に出てきて、かつが揚がるのを待つこと、約10分。







ぱっと見て、すでに衣が乱れていてがっかり。とんかつ本を執筆する程度にはとんかつを食べまくっている私の経験に照らせば、こうやって衣が乱れているとんかつが美味かったためしがない。とはいえ、見た目で判断するわけにもいかないし、「主を呼べ!」と言おうにも、主は目の前に立っている。まずは一切れ、口に運んでみた。




肉はなかなかジューシーで柔らかいのだが、旨味は今一歩。下味はあまり感じられないので、肉が持つ旨味が勝負なのだが、これが希薄なので、どうしても辛子やソースに頼らざるを得なくなる。隠し包丁で筋を切ってあるので硬さは感じない。衣はやや細かめ。揚げている温度がやや高めのようで硬い。そのせいもあって、肉から剥がれがちなのも少々残念なところ。

豚汁はデフォルトで山椒を効かせたもの。悪くないが、いささか味が濃すぎる。これでは旨味の少ないカツとのバランスが取れない。




ご飯は硬め。個人的にはもうちょっと柔らかく炊いたのが好みだが、これで悪いわけではない。




キャベツはざく切りにしてあるのが珍しかったが、これまた、かつとのバランスはイマイチだった。必ずしも千切りにする必要はないと思うが、じゃぁこれが良いのかと言われると、正直微妙である。

同行者がろーすかつ定食を注文したので、一切れ食べさせてもらったけれど、こちらも旨味は不足気味。




夜の定食はそれぞれ1,000円ずつぐらい高いようなので、夜の肉の方が美味しいのかも知れないが、衣の乱れ具合から推測すれば、あまり期待はできない。

2,000円弱のとんかつとしては標準レベルだと思うが、京都まで来て、貴重な一食をこのとんかつに費やす気にはならない。食べ終わるまでのあいだ、結局他のお客さんは誰も来なかった。

店名 とんかつ山本
TEL 075-231-4495
住所 京都府京都市中京区新烏丸通二条上ル
営業時間 11:30 〜 13:30 17:00 〜 22:00
定休日 日曜日

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