モリタック:大変です!残業代がゼロになってしまうそうですよ!!??
ヒロッコ:あんた、残業しているの?
モリタック:してますよ!昨日も、夜中の3時まで・・・
ヒロッコ:ただ作戦室にいただけでしょう?
モリタック:作戦室の警備も重要な任務です!
ヒロッコ:あんたはゲームしていただけじゃない。それに、あなた程度の警備ならバイトでも十分できちゃうわよ。
モリタック:それを言われると二の句が継げないのですが・・・
ヒロッコ:それはさておき、残業代ゼロ案というのは、これね。
「残業代ゼロ」一般社員に拡大を提言 産業競争力会議
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20140422-00000180-fnn-bus_all
閣下:良い話じゃないか。
モリタック:ええっ!?横暴ですよ!!
ノブポン:モリタック先輩が閣下に楯突くとは珍しいこともあるような、ないような、とりあえず、直ちに処刑されるようなことはないと思いますが、大丈夫でしょうか。
閣下:モリタックはちゃんとこの記事を読んだのか?対象になっているのは、「年収がおおむね1,000万円以上で、高度な職業能力を持ち、自律的、創造的に働きたい一般社員」だぞ?
ヒロッコ:モリタックには全く関係ない話よね。
モリタック:それはそうですが・・・
閣下:今の日本がなぜ斜陽国家となっているのか、例えば、海外からまでも、低い経済成長率を懸念されたりしているような悲惨な状態なのか、わかるか?
モリタック:もちろんわかりません。
ヒロッコ:閣下、モリタックにもわかるように説明してやってください。
モリタック:ガンダムでお願いします!
閣下:たとえば、ガルマはなぜシャアよりも階級が上だったのか、考えてみろ。
モリタック:それは、血筋じゃないでしょうか?
閣下:血筋が良いからといって、軍人としての能力が高いとはいえないよな?
モリタック:はい。
閣下:では、諸君の愛してくれたガルマはなぜ死んだのだ?
モリタック:坊やだからですか?
閣下:能力が低かったからだな。ガルマは自業自得かも知れないが、ガルマの下で働いていた下級兵にとってはとんだとばっちりだ。上官がガルマだったばっかりに、わずか第十話で戦死するはめになったのだから。
モリタック:私は良い指揮官の下で最終話まで働きたいです。
閣下:つまり、血筋などではなく、能力で評価された上官の下で働きたいのだろう?
モリタック:もちろんです。
閣下:逆に言えば、能力がないのに、上官になられては迷惑なわけだ。
モリタック:その通りです。
閣下:そういう、能力以外のところで評価され、偉くなってしまうのが日本社会なんだよ。
ヒロッコ:モリタックがこの作戦室にいることを考えれば、すぐにわかるわよね(笑)
閣下:もちろん、全部が全部というわけではないし、むしろちゃんと能力のある人間の方が多いだろう。しかし、そういう中に、能力以上の給料をもらっている人間も少なからず含まれている。
モリタック:私の能力が低いことは認めますが、それにしても、残業代がゼロなのは酷いです。それに、いつの間にか、テーマが残業から能力の話に変わっていますよ!
ヒロッコ:残業代をゼロにしようというのは、働き方を変えましょう、何時間働いたかじゃなくて、どのくらい成果を出したかで評価しましょう、ということなのよ。一口に言えば「成果主義」への変換なの。そして、それは年功序列から能力主義への変換でもあるのよ。
モリタック:ええっ!?
閣下:要は、能力の高い人は、それにあった環境で切磋琢磨し、高くない人は、それなりの環境で働け、ということだ。
ヒロッコ:大事な点は、「能力の高い人」ということよ。自分の裁量で業務をコントロールできないような人は最初から対象にはなっていないの。
モリタック:私たち、下々の者は今までどおりなのですか?
ヒロッコ:そんな甘い話があるわけないじゃない。
モリタック:やはり。どんな裏があるのですか?
閣下:これまでは、年功序列という形で、能力が高くない人間でも偉くなって、それなりの給料をもらうことができた。しかし、これからは、ただずっと会社にいたという実績だけでは、良い待遇にはならなくなるはずだ。間違っても、年収1,000万円を超えることはないだろう。
モリタック:それは困ります。
ヒロッコ:困るなら、頑張って働いて、実績を積めば良いのよ。
モリタック:でも、その実績を正当に評価してくれなかったら、どうしたら良いのですか?
閣下:本当に実力があるなら、その実力を正当に評価してくれる会社に転職すれば良い。
モリタック:自信がないのですが・・・
閣下:つまり、お前みたいに、大して努力もしていない癖に、自分の能力については漠然とした自信を持っていて、それでいて、誰かに評価してもらうだけの根拠は持ち合わせていない奴らが、山ほどいるのがこの国なんだよ。
モリタック:はぁ・・・・
閣下:でも、大丈夫だから心配するな。お前みたいな奴でも引き続き雇ってくれるような良い組織が日本にはまだまだたくさんある。
モリタック:そうなんですか!?
ヒロッコ:たとえば、地方公務員とか。
閣下:年功序列、終身雇用型の組織の代表例だな。
モリタック:良かった!!
ヒロッコ:あるいは、単純作業のような業務に従事している場合は、労働時間に見合った賃金が支払われるはずよ。
モリタック:良かった!!!
ノブポン:とはいえ、最近は地方自治体も青息吐息のところが散見されますし、旧態依然型の大企業も業績が悪化し、経営が破たん寸前というケースもあるようです。
モリタック:じゃじゃじゃ、どうしたら良いんですか?
閣下:でもまぁ、まだまだ多くの地方自治体は大丈夫なんじゃないか?
モリタック:では、公務員を目指しますっ!!
ヒロッコ:ただ、そういう組織の待遇、特に給料は、今よりも悪くなっていくんじゃないかしら?
モリタック:どうしたら良いんですか!?
ヒロッコ:努力して技能を身につけ、頑張って成果を出すしかないんじゃないの?
モリタック:それが無理なら?
ヒロッコ:だから、それなら、安い給料で、つまらない仕事をするしかないわよ。
モリタック:お先真っ暗です(;_;)
ヒロッコ:職業に貴賎なし、よ。つまらない仕事でも誰かがやらなくちゃならないのだし。
閣下:今や、モリタックのような「楽して偉くなりたい」という人間の逃げ道は、世界中探してもほとんど見当たらない。あったとしても、自国民の面倒を見るので手一杯で、受け入れている余裕などない。
モリタック:なんということでしょう・・・
閣下:とはいえ、日本も民主国家だから、大勢の生活者が「経済成長なんてしなくて良い。貧乏に耐えて、老衰のように、国家が衰えていくのもやむなし」という考え方なら、今の状況を維持することになる。
モリタック:それはそれで困るんですが・・・
ヒロッコ:あんたのような考え方の人がこの国には多すぎるのかもね(苦笑)。
ノブポン:財政破綻は目前ですし、高齢化には歯止めをかけようがありません。せめて優秀な人材ややる気のある人材がきちんと評価される社会だけでも作っておきたいものです。
閣下:優秀な若い人は、もうすでにこの国を見捨てて、外に出ていきつつあるけれどな。
ヒロッコ:結局、こういうニュースに目くじらを立てているのは、実際には年収1,000万円なんて夢のまた夢のような人たちで、そのせいで社会が停滞したら、困るのはその人たち自身なのよね。
閣下:年収1,000万円以上なら、もう残業とか、正規・非正規なんて関係ない働き方をしている人間がほとんどだから、こんなニュースを聞いても基本スルーだ。そのせいもあって、無関係な奴らが騒いでいるのだけが目立つんだろうな。
ヒロッコ:ほら、モリタックのことよ。
モリタック:やっぱり、楽して稼ぐのは無理なんですね・・・
ヒロッコ:”高度な職業能力を持ち、自律的、創造的に働きたい”人たちは残業がどうのこうのなどと言わずに頑張って働いてガンガン稼いでいただく。モリタックのように、人に言われたことを確実にやっていくのが良い人は、それなりの待遇で、身の丈にあった暮らしをしていけば良いのよ。別に、何も恥ずかしいことじゃない。
閣下:大体、最低でもこれくらいやらなくちゃ、経済再生に向けた三本目の矢なんて、ひとつもないようなものだ。
ヒロッコ:ほんとに、この提案にまでも反対するような人には、ぜひ有効な経済政策を提案して欲しいものですよ。
ノブポン:そこで国土強靭化計画のようなバラマキ政策が登場するわけですが、もちろんそういう政策の効果はただちに現れるわけでもなく、実際には財政が破綻してもまだ現れないでしょうね(笑)。
閣下:年収1,000万円を超えている奴は俺の周りにゴロゴロしているが、サービス残業がどうのこうのと言っている奴は見たことがない。
ヒロッコ:残業代などは飾りです。稼いだことがない奴にはそれがわからんのですよ。
モリタック:わかりません・・・
閣下:旧態依然とした体質の大企業が、年功序列で偉くなってしまった不良債権を内部に抱えて青息吐息という現状がある。こういう会社が傾くと、どうしたって役所が敗戦処理に動かざるをえない。それはそれで面倒くさいので、今のうちになんとかなる会社だけでも、自力で再生して欲しいわけだ。一方で、企業の側から「使えない」と不良債権の烙印を押された社員でも、他に活躍の場はあるかも知れない。それなら、終身雇用という縛りで会社につなぎとめておくのも合理性がない。日本の経済再生に向けたロードマップは、労働市場の流動化が一丁目一番地なんだ。
モリタック:でも、日本は、終身雇用と年功序列によって、高度経済成長を成し遂げたのではないですか?
閣下:お前は、世界が変わったのに過去の成功にしがみついている奴の典型だな(笑)
ヒロッコ:もはや、日本は一人負けという状態になりつつあるのに、ですね。それに、雇用の流動化の本当のターゲットは若者じゃないのに、なぜか若者がデリケートに反応するのが不思議です。
閣下:若者も、二十年経てば中年になるからな。
ヒロッコ:でも、さすがに二十年後は、今のような社会ではなくなっていますよね?
閣下:財政破綻国の仲間入りしているかもしれないな(笑)
追記:参考になるエントリー
残業チキンレースにそろそろサヨナラしよう!
http://jyoshige.livedoor.biz/archives/7225088.html
残業代0の世界
http://anond.hatelabo.jp/20140424223012
日本の労働環境のためにやらなくてはならないたった1つのこと
http://buu.blog.jp/archives/51412624.html