2014年04月28日

人はどれだけ残業できるのか 

人はどの程度残業できるのでしょうか。私が20年ほど前に在籍していた三菱総研は高残業体質で有名な会社でしたが、この会社で「凄いね」と言われるためには最低でも200時間の残業が必要でした。ケースバイケースですが、100時間程度の残業は、実はそれほど難しくありません。なぜなら、休日出勤して作業すれば、一日あたり10時間は軽く稼げてしまうからです。10日間休日出勤すれば(全ての土日と祝祭日を出勤)、平日はほとんど定時退社でも、100時間残業を達成することができます。

ということで、100時間や200時間の残業では全く驚かない私ですが、さすがにびっくりした話があります。私の知人で、二ヶ月連続で月間残業400時間を達成した人がいるのです。彼は経済産業省時代の同僚で、私が人生で一緒に仕事をしたり、あるいは仕事として関係を持った人間の中で、最も優秀だと思っている人です。彼は、3.11の際に不幸にも、経産省の危機管理部門の責任者でした。地震の前に会った時も、「2時間以上連絡が取れない立場になることができないので、海外にも行けない、映画もコンサートも無理」と言っていましたが、地震直後はさらに過酷な状況に追い込まれたようです。それでは、彼の事例を参考にしつつ、人間はどの程度残業ができるのか、考えてみます。

単純化の目的で、ここでは月間30日、労働日20日、規定労働時間は1日あたり8時間(9時〜17時)、休日10日としてみます。その上で、まず全日16時間労働したとしましょう。平日分の残業が20日*8時間で160時間、休日分の残業が10日*16時間で160時間。これだけで合計320時間になります。ここからさらに80時間を上積みする必要があるのですが、これがなかなか困難です。彼の場合、通勤時間は1時間以上だったようですが、ここでも単純化の目的で、片道1時間の通勤とすれば、これで全ての日で、18時間が費やされてしまいます。つまり、残された時間は、30日*6時間で、180時間しかありません。この中で、食事の時間や、睡眠の時間を確保する必要があります。ピンクレディーが全盛期、一日睡眠4時間と言われていたような気がするので、睡眠時間は4時間にしてみましょう(厳密には、通勤時間に寝ることも可能ですが、ここではそれは算入しないでおきます)。30日*4時間で120時間が消費されてしまうので、残りはたったの60時間です。あれ?もうすでに、最大で380時間ですから、400時間残業は不可能となってしまいます。やはり、通勤中は睡眠に充てる必要があるのでしょう。前言撤回、通勤時間プラス睡眠時間で一日合計4時間とします。つまり、一日の睡眠時間は2時間(実質4時間)、一ヶ月では30日*2時間で60時間を消費しますから、残りは120時間です。あ、これなら最大で440時間まで残業できます。この中には食事の時間、お風呂の時間、トイレの時間などは含まれていませんが、仕事をしながらやることができないのは入浴ぐらいなので、1日に一度、10分間シャワーを浴びるとしたら、5時間の消費になります。

結果、人間が残業できる最大は、435時間のようです。ただし、目に見えない前提条件があって、それは一ヶ月間、全く問題なく健康に過ごすということです。間違っても、風邪など引いてはいけません。その上で、土日・祝祭日関係なしに全日勤務し、勤務は一日約20時間になります。家での睡眠は2時間、加えて往復の通勤途中で睡眠(さすがに、件の知人はタクシー通勤だったようです)です。これだけ頑張って、435時間残業です。

あくまでも机上の計算ですが、件の知人は実際に400時間残業を達成したわけで、上述の家で2時間、通勤で2時間の睡眠以外で、自由になる時間はたったの40時間です。この中で食事をし、風呂に入り、不足した睡眠を補うことによって、健康を維持したことになります。人間、やればできる、ということでしょうか。やりたくないけど。

その後、彼はNEDOに出向という形をとって、インドに行きました。しばらくはこんな記事を書いていましたが、今も元気でやっているようです。

日本からみたインド インドからみた日本
http://dndi.jp/26-miyamoto/miyamoto_Top.php


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