2014年05月14日

粉々に砕かれた鏡の上にも新しい景色が映される

古くからの知人が肩を故障して、今は拘縮してしまい難儀しているらしい。彼女はフェイスブックで「治るか不安」と書いていた。

僕は大学院時代に膝の前十字靭帯を断裂し、当時の処理方法が未熟だったこともあって(これは医者が悪いとか、病院が悪いとかではなく、当時の治療法そのものが未熟だったという意味。当時有名だった病院へセカンドオピニオンを取りに行っても、「対応は間違ってない」と言われた)、膝が拘縮し、松葉杖なしでは歩けない状態になってしまった。1年近くリハやってもほとんど改善せず、リハはリハでかなり過酷で、ボルタレンを使ったり、果ては入院して、EPI(硬膜外麻酔)という、背中に注射針を刺しっぱなしにしておいて、リハのたびに麻酔薬を投与して下半身を麻痺させてのリハビリだった。それでも改善しないので、「あぁ、このまま一生松葉杖かもなぁ」と思ったものだ。

しかし、そんな風に不安に思ったのは、最初の半年ぐらい。人間とは、環境に適合してしまうものだ。いや、正確には、「僕は」なんだと思うのだけれど、やがて「これでパラリンピックに出場できるかも」などと考えるようになり(実際にはこの程度の障害では出場できないけれど(笑))、まぁ、こうなったものは仕方ないよな、と思うようにもなった。要は、折角膝が曲げ伸ばしできないのだから、これを利用して何かできないかなぁ、と考えるようになったのである。人と同じ条件で競うのは大変だけど、人と違う条件なら戦いやすい。子どもの頃から人と違うことに喜びを見出すタイプだったので(おかげで、小学生の頃から通信簿には「協調性がない」と書かれ続けたのだが)、これをうまく利用してやろう、と邪悪なことを考えた。そうなってみると、怪我をしてしまったことはラッキー以外の何ものでもない。

そうなってしまったことが幸せなのか、不幸なのか、その時点では決まらない。そうなってしまったことをプラスにできるか、マイナスにしてしまうか、「そうなってしまった」あとの、その人の考え方や生き方によって変わってくるのだと思う。だから、マイナスな状況をプラスの方向に考えて、あとになって「あのとき、あんなことになって良かったな」と考えられるようになれば良いのになぁ、と思う。でも、こういうのも、人に言われてできることじゃない。それまで生きてきた積み重ねによるし、できる人はできるし、できない人はできないんだと思う。なので、無責任に「こうしたら?」とアドバイスするのも気が引けたのだが、膝の拘縮も、肩の拘縮も経験している立場からは何か書いておいたほうが良いかな、と思い、次のように書いておいた。

僕の場合は、「折角障害者になったのだから、車いすや松葉杖の視点から色々と世の中を見てみよう」と思ったら、今まで見えなかった色んなモノが見えてきて、逆に楽しくなりました。実はその後スキーで今度は肩の骨を折ったんですが、その時も「肩が動かない人の世界」の発見を楽しみました。


もちろん彼女の肩が回復するのが一番だけど、今は、彼女の不安が少しでも小さくなれば良いのにな、と思う。

#タイトルは、「いつも何度でも」の歌詞の引用

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この記事へのコメント
こんにちは。(リンク先の紹介から)こちらの返信遅くなってすみません。

この文章を読む限りですと、
半年、膝が拘縮していたということなのか?それとも、現在も、
曲げ伸ばしについては、若干厳しいところが時にはあるということなのでしょうか?

他のページも読みましたが、
食事の話などはよくあって、
治療の話題は他に
すぐに見つけれませんでした。

友人の場合も7か月かかって、正座ができるようになったらしいです。
医者からは、歩けるようになるかどうかも50%だったり、
正座はできないかもしれないと言われていたらしいので、
医者は悪い場合も話さなければならないという立場なのかもしれないけれど、
人間の回復力はすごいと実感したそうです。今は歩けるし、
和式でも正座でもできるようになったそうです。今回の私のケガも励ましてもらいました。

facebookのお知り合いの彼女も
肩の拘縮が辛そうですね。

実は、
私も現在、肩関節の拘縮も一緒に治療しています。

1/21蔵王温泉スキー場で終了した後、
道路脇で、
急カーブの急坂に板をもったまま滑ってしまいました。

手をついて、腕で踏ん張ったため、そのまま肩がぐぃっと上がり
ビリっと音がしました。


1か月半位から2ヶ月位安静にしていたら、いざ動かしそうになってからが
本当に動かなくて、、
固まってしまっていました。
(肩を動かすしぐさはあまり日常することがないので、
寝るときに、痛い肩が下にならないようにしていました。

今思うと、スキーのときも
その患部の肩側に倒れないように、気を付け過ぎていたのかもしれません。)

膝の怪我で松葉杖をつくようになったら、
もっと肩が悪くなりました。
Posted by みい at 2014年06月14日 14:13
(文字数がオーバーしたので分けます)
ただ、
病院で肩関節の先生に指導されて、14日間位たってから、
急に改善されてきました。

その病院では総合病院なので、治療とかリハビリをしていないので、家での宿題という形です。

((その前に、電気治療していたけれど、何も改善されていませんでした。
違う病院で見てもらいました。))

医者から出された方法は、

ラジオ体操のようにぐるぐる動かすのは
拘縮には効かない。

代わりに、壁に
両手を置いて、
頭を
ぐーっと下に入れていく。

じっくりと、
それが、実際には、腕を上げるポーズと同じことになる。

それを朝晩20秒を10回。
毎日続けないとだめだよ、と言われました。

拘縮には、ストレッチが効くそうなのです。


それから、あまり最初は痛くて
進まないのに、

寝るときも
じっくり伸ばしてみたり、

一番効果が感じられたのは、

腕を側面から引き上げて、伸ばしたことです。

それができるようになったとき、
前からも自然と
腕が上がるようになっていました。

次の通院のときに、医者は、
「なぜ拘縮になったのか?の原因が大事だけれど、

3週間位で、
上がるようになったのだったら、
重症なことは考えられない、
このまま、
今度は違う方向で
試してください。」
と言われました。


長くなりましたが、
古くからのご友人も、何か改善することにつながればいいと思います。
どうぞお大事になさってください。
Posted by みい at 2014年06月14日 14:15
> 半年、膝が拘縮していたということなのか?それとも、現在も、
> 曲げ伸ばしについては、若干厳しいところが時にはあるということなのでしょうか?

結局、まっすぐに伸びない期間は2年ぐらいだったと思います。正座ができるようになったのは10年後ぐらいだったかも?その頃には「元木は膝が悪くて正座ができない」ということをみんな知っていたので、その後も特に修正せず、今もできないと思っている人も少なくありません。おかげで、法事の時などは便利です(笑)。

拘縮しやすい体質だとわかっていたので、肩の骨折の時は医者にそれをきちんと伝えておきました。おかげで、膝ほどは苦労しませんでした。主としてやったのは、仰向けに寝て、頭の上方向に置いたものを取ったり、動かしたりという運動でした。あと、ラットプルの機械を使って、腕を上方向に引っ張るのもやりました。
Posted by buu* at 2014年06月15日 21:38