2014年06月08日

元経産省ベンチャー支援担当課長補佐で、現ベンチャー社長の俺が考える唯一無二のベンチャー支援策

アベノミクスの成長戦略の目玉施策がベンチャー支援というので、馬鹿すぎて大爆笑である。

<ベンチャー支援>政府 大企業と連携促進
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140608-00000012-mai-soci

経産省、財務省、文科省、金融庁といった役人ばかりで検討すれば、こんなことになるだろう。要は、戦争をやったことがない奴らが戦術について論じているようなもの。大企業の社員や公務員には絶対にアイデアなんて出せない。かくいう僕も、経産省時代は事業化支援の課長補佐だったわけだが、そのときに財務省からとってきた5億円はただの無駄金になってしまったので、こうやって、少しでも国民に還元すべく、情報発信を続けているのである。役人時代、かれこれ60社ぐらいのベンチャーの社長と話をしてきたけれど、時々言われたのは、「役人には、死んでも理解できない」という言葉で、それが僕をベンチャーの経営に向かわせたのだが、実際に社長をやってみて、なるほど、という思いである。

この施策がなぜ馬鹿なのか。まず、役所の支援を必要としているような会社は、その時点ですでにベンチャーではないのである。もう、この一言に尽きる。このブログでは、僕が取ってきた予算をばら撒いた会社のひとつ、リバネスがとんでもないインチキ会社になってしまったのでそれを叩き続けているけれど、なぜリバネスがインチキ会社に落ちぶれたかと言えば、タックスイーターになったことに尽きる。ベンチャーにとって、公的なお金は覚せい剤のようなものだ。一度税金を食べる側にまわると、もうそこからは脱出できないのだろう。役所が「何かできないか」と考えた時点で、それはもうベンチャーを堕落させているのである。起業を支援しているつもりかも知れないが、ほとんどは逆効果である。

参考:リバネスの糾弾は丸幸弘社長と吉田丈治取締役が引責辞任するか、倒産するまでやめません
http://buu.blog.jp/archives/51255578.html

では、ベンチャーを支援する方法は何もないのか、といえば、そんなこともない。直接的に支援するのはダメだが、間接的に支援することは可能だし、ぜひやったほうが良い。これは、書くのは非常に簡単だが、実行するのは非常に難しい。でも、折角だから書いておく。公務員や大企業の優遇をやめれば良いのである。公務員の身分保障などもってのほかだし、労働者の解雇制限などもベンチャーにとっては害悪である。なぜなら、素晴らしく居心地の良い役所や大企業に、優秀な人材をごっそり取られてしまうからだ。役所や大企業の居心地が悪くなれば、優秀な人材はごろごろベンチャーに流出するに違いない。これこそが、起業大国に向けた唯一無二の戦術なのである。

とはいえ、不良公務員はどんどんクビ、大企業も、お荷物社員はどんどんクビ、となったら、日本は大混乱になるだろう。使えない奴らが既得権の上にあぐらをかいているのだから当然だ。では、どうしたら良いのか。不良公務員や大企業社員の給料を今よりもずっと安くしてしまえば良いのである。本来、役所や大企業など、保守的でアイデアは出せないけれど、言われたことはきちんとこなせる、ぐらいの人材のための受け皿であるべきで、いわゆるエリートが行くべき組織ではない。

今の公務員や大企業は、安定していて、しかも高給だ。これでは、優秀な学生はどんどんこういったところへ就職してしまう。「そこは、君たちが行くべきところではないよ。年功序列で、大して能力がない人間が君たちよりも良い給料をもらっていて、君たちが偉くなるまでには非常に長い時間が必要なんだよ。それまで、ずっと能力が低い人間に彼らより低い給料で使われなくちゃならないんだ」と言って聞かせても無駄である。

じゃぁ、ここに書いたような、唯一無二の方策を実施できるのか。安倍政権には、無理だよな(^^; てか、もう今の日本にはこういう根本的な荒療治は無理なんじゃないの? だから、最初から、ベンチャーを支援しようとか、起業大国を目指すとか、言わなきゃ良いし、予算化もしなければ良い。結局、無駄金になるんだから。地方自治体が貧乏ベンチャーをいじめるのに使っている均等割という制度を廃止させるぐらいがいいところでしょ。

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この記事へのコメント
そもそも日本はベンチャーというものが成り立ちにくいと考えています。

1から立ち上げようとしても、最初から充分な金を持っている人は少ない。
となると、銀行や金融から金を引っ張る必要がありますが、担保や連帯保証人が必要になる。

私のベンチャー企業支援でお願いしたいのは、担保・連帯保証制度の廃止も重要だと考えています。

そもそも連帯保証制度なんていうのは日本しかないわけですよね。
そこに甘えているか、もしくはそもそも自身で考える能力が欠如しているかは分かりませんが、日本の銀行員は何も考えられない人が多いように感じます。
金融業に優良企業や外資の企業が参入できればいいんですが。
「ちゃんとしたビジネスができるところには、連帯保証なしで貸す」ということができればいい。

ここでも、既得権を持っている銀行や天下りしたい役人が絶対許すはずがないのですが・・・
Posted by popoo at 2014年06月11日 20:48
あいつらは馬鹿なので、企業の内容なんて評価できないんです。なので、不良債権化した場合には保証人か、土地の担保が必要なんです。僕もワックス開発で200万円が必要になったことがあって、横浜信用金庫鴨居支店に相談しに行ったことがありますが、企画書ではなく僕の資産を知りたがった時点で交渉を中止しました。ついでに、会社のメインバンクの三井住友銀行に相談しましたが、「1億円なら貸すが、200万円は難しい」と言われました。この三井住友は、時間外に預金するのにも手数料を取ります。お金を預けるのに手数料って、アホかと。

とはいえ、こういうことは民間レベルの話なので、基本的に行政から圧力をかけるようなことでもなく、あーでもない、こーでもない、と言っても意味はないと思っています。あと、うちの会社の資本金は103万円です。充分なお金なんて、必ずしも必要ではありません。25万円あれば足ります。
Posted by buu* at 2014年06月12日 00:11