2014年06月30日

渇き。

今年最大の問題作、という評価を耳にしたので、観てきた。

これ、どうなんだろう?面白いのかな?とにかく人がたくさん死ぬ。それぞれがかなり丈夫なので、なかなか死ななくて、おかげで描写が残酷になる。その手の映画は北野武や園子温でそこそこやられているわけだけど、この映画がちょっと新しく感じられるのはカットの細かさと音楽の使い方の2点。おかげで、凄く暑苦しい雰囲気が作られていたけれど、その感覚が正直あまり好きになれない。SAWシリーズみたいに好き嫌いがはっきりわかれることが予想される映画で、そういう意味では十分に個性的であり、特徴的でもある。

ただ、僕の感想を言えば、細かくカット割りされて何度も繰り返しが使われる映像表現はせわしないだけだったし、鳴りっぱなしの音楽はうるさいだけだったし、役者たちの熱演も暑苦しかった。また、そのトーンが比較的単調に続くので、わりとすぐに飽きてしまい、「あと何分で終わるんだろうなぁ」と考えてしまった。

映画ファンなら観ておいても損はないと思うのだが、一般の(普通の)映画好きや、妻夫木くん、橋本愛ちゃんなどを観たい向きにはあまり薦められない。

中島哲也監督は下妻物語(2004年)、嫌われ松子の一生(2006)あたりで漫画的表現を取り入れたコミックムービーのスタイルを確立した人だけど、告白(2010年)ぐらいからちょっと明後日の方向に行ってしまった感があり、常に新しいものを提示し続けている作家性は高く評価したいけれど、この作品は嫌い。評価は☆半分。

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