2014年10月22日

トワイライト ささらさや

試写会で鑑賞。死んだはずの人間が死にきれずに現世に色々と干渉する、という、タイムマシンものと並んで映画にはよくあるストーリー。だが、脚本と演出次第では面白くなるのも事実。大泉洋の作品はときどき拾い物があったりするので侮れない、と思いつつ、それなりに楽しみにして観に行ったのだが、結論から言えば大ハズレ。深川栄洋監督は過去作も微妙な作品(洋菓子店コアンドルもイマイチだったし、白夜行も監督の腕で駄目にした感あり)が少なくないのだが、中には「半分の月がのぼる空」のように、意外といけている作品もある。ただ、その作品は脚本が西田征史。一方でこちらは監督と山室有紀子の協同脚本で、山室有紀子といえば、最近では「武士の献立」で、良い素材をつまらなく調理した張本人である。

現世に残した妻子に気遣って、色々な人間に憑依する、という設定なのだが、登場人物たちの心象描写がほとんどなく、「こいつ、何のために出てきたの?」と疑問に思ってしまうことが度々ある。また、たった一度の経験で、「俺はこれこれこうなってしまったんだ」と分析し、結論を出してしまうあたりも唐突。俺は憑依できる、もう憑依できない、もろもろ、すぐに結論が出てしまうあたりがご都合主義丸出しである。他にも、物語の重要な場面での石橋凌の行動に説明がつかず、何だかなぁ、という感じになる。それもこれも、脚本が稚拙すぎるせいだ。新垣結衣の可愛さと、大泉洋のコミカルな語り口におんぶにだっこ、なのだ。

加えて、演出面でも噴飯モノのシーンがある。死亡診断をする場面で、瞳孔をチェックする際に、役者が生きているために(あたりまえだけど)、目を広げたら白目を剥いているのである。死んでいたら白目になるわけがないし、ましてや、白目では瞳孔をチェックすることができない。バカだね〜、という感じである。監督は、この程度の医療知識も持ち合わせていないのだろう。お金を払って、形ばかりのお医者さんごっこを見せられてはたまったものではない。

では、全く観る価値がないかといえば、そんなこともない。古手川祐子、和久井映見といった卵顔が好きな僕には、新垣結衣がたっぷり鑑賞できたことは評価できる。また、大泉洋に憑依された人たちの演出は、中村蒼以外についてはなかなか見事だった。また、遊眠社時代から山下容莉枝を応援している人間としては、白夜行に続いて彼女を使ってくれたことを嬉しく思う。と、頑張って見どころを探せば、見つからないこともない。新垣結衣が嫌いなら処置なしだけど。

ところどころ、漫才のような笑いを誘う場面はあったものの、メインの流れが悪すぎて、全く楽しめない。原作を読んでないので脚本だけのせいとは言い切れないが、少なくとも演出と脚本は全くいただけないし、そのせいでつまらない映画になっている。評価は☆ゼロのところ、新垣結衣におまけして☆半分。

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