2014年11月28日

日々ロック

二階堂ふみ出演ということで観てきた。途中で「桜の森の満開の下」以来大好きな毬谷友子さんまでが出てきてちょっと得した気分。

が、映画の出来はイマイチ。過剰な演出はコミックムービーとしてありだと思うのだが、主人公が腰が曲がったおじいさんみたいになるとか、日本語が喋れなくなるとか、意味不明なところがいくつかある。これがちょっとしたところならともかく、映画の重要なところで展開されるので興ざめする。他にも、撮り方が下手なために「こんなことする奴いねぇよ」と感じさせてしまったり、監督の力量不足が非常に目につく。普通に良い映画ばかりを観ているとアタリマエのことになって気が付かないのだが、下手な監督が撮った画面を観ると、あぁ、こういうのが技術のある・なしなんだな、と気付かされる。

また、音楽劇では当然音楽が重要になると思うのだが、大ファンの僕が観ても、二階堂ふみの「雨上がりの夜空に」の歌唱はいただけない。作品の中で彼女の持ち歌に設定されていた曲はテクノっぽいアレンジで、歌も加工されていたので全く気にならなかったのだが、誰でも知っている名曲を歌わせてしまうには、ちょっと歌唱力が足りなすぎた感じである。もしかしたら「下手なくせに中田ヤスタカ風の加工でヒットしている」という設定なのかも知れないけれど、それならもうちょっと説得力のあるシーンを加えて欲しい。そうでなければ、「二階堂ふみって演技は凄いけれど、歌はイマイチだね」と思われてしまう。

ストーリーも大映ドラマのようなベタな展開で、なんだかなぁ、という感じ。

原作未読なので、もしかしたら原作に忠実に作ったらこうなった(ヒロインの歌が下手なのも、主人公がずっと腰が曲がっているのも)、ということなのかも知れないけれど、それならもうちょっと映画向きに演出したほうが良かったと思う。

とはいえ、二階堂ふみの演技はさすがだったし、可愛かった。それだけは評価できる。鯵が干物になったり、感電したり、思わず笑ってしまうシーンもいくつかあった。と、頑張って前向きに考えてみたけれど、評価は☆1つ。

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