2015年01月16日

ストックホルムでワルツを

monicaz


ちょっと前だと『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(Walk the Line)、最近だと『ジャージー・ボーイズ』(Jersey Boys)と、ミュージシャンの半生を描いた伝記映画には傑作が多い気がするのだが、この作品はスウェーデンのジャズシンガー、モニカ・ゼタールンドの半生を描いている。

スウェーデンの田舎町に住むシングル・マザーが才能のある男たちを踏み台にしつつのし上がっていく姿を生々しく表現しているのだけれど、表面上の華やかさの一方で、お決まりのアルコール中毒や、音楽で挫折を味わった父親との確執など、裏では散々苦しんでいる姿が息苦しさを感じさせる。そうした様々な苦難の末にどうなるのかは自分の目で確かめて欲しい。びっくりするような演出や脚本ではないのだけれど、やはり実話の持つパワーが凄いので、最後まで全く飽きさせない。また、主役女優エッダ・マグナソンの歌や演技が魅力的なのも大きい。

酒にタバコに男に、と、荒れまくりの人生なんだけれど、そういう時代だったんだろう。

劇中では英語とスウェーデン語が使われているのだけれど、英語の字幕は<>付きで表現されていて親切だった。

原題は「MONICA Z」だが、このZはゾンビのZではない。

あまり大規模に上映している感じではないのだが、今でもやっているところがあるので、近所でやっていたら観ても損ではない。というか、これを観ないことの方が損だと思う。評価は☆2つ半。


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