2015年03月22日

Yuya Matsumoto exhibition 松本侑也 個展―傍観図―

今日からスタートしたYuya Matsumoto exhibition 松本侑也 個展―傍観図―を観に、万画廊まで行ってきた。

前回も観ているのだけれど、相変わらず面白い。紙にペンで細かく描いていく手法は僕が知り合ったばかりの頃の山口晃さんにちょっと似ている。漫画で言えば大友克洋の雰囲気。構成要素は直線主体でところどころに曲線が混じる。無機的な図形が集合して、遠くから見ると有機的な絵になっていたりする作品もある。抽象画にならないぎりぎりのところを表現している感じだ。

前回と異なるのは、墨の濃淡で遠近感を表現している作品があったことで、ボールペンでは表現不可能なところをやっていた。

ちょっと思ったのは、文字で書き込まれている実在の建造物が実際の配置と異なっている点についてで、ここは完璧に正確ではなくても、もうちょっと事実に沿った配置にしたら良いのでは、ということ。あまりに忠実にしてしまうと洛中洛外図みたいになってしまうので塩梅は難しいと思うのだけれど、みなとみらいとサンシャイン60がすぐそばにあって、ランドマークタワーがないのは「????」という感じだったりする。モチーフをいくつかの建造物に絞って、それを自分なりにアレンジして表現し、その上で周囲に色々なものを配置したらどうなんだろう?今は、街を描いていても、主張がどこにあるのかわからず、どの絵も同じように見えてしまったりするので、「金閣寺」みたいに誰でも知っている建造物をまず決めてしまえば、観る側も「あ、あの、金閣寺の絵は良いよね」などと会話することができる。あと、インスピレーションのおもむくままに彩色している感じなんだけれど、遠くから見ると別の意匠が浮き出てくる、みたいな仕掛けがあればもっと面白いのになぁ、と思った。

まだまだ荒削りで、色々と工夫していける余地があるとは思うのだけれど、ユニークな絵で、遠くからでも「あ、松本さんの絵だね」とわかる。次の個展ではどんな作品を見せてくれるのか、楽しみである。

松本侑也 個展 - 傍観図 - 
YUYA MATSUMOTO 
 -Sidelines Figure-

場所:万画廊(〒104-0061 東京都中央区銀座一丁目23-2 GINZA 上野ビル1F)

会期:2015年3月21日(土) ‐ 4月5日(日)

開廊時間:11:30−19:30
最終日は18:00終了/会期中無休


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