2015年03月27日

くちびるに歌を

長崎の五島列島の観光映画かな、と思っていたら、ちゃんとまじめに作られた作品だった。

トラウマを抱えてピアノが弾けなくなったピアニストの再生をさわやかに描いている。同時期に上映されている「暗殺教室」とは全く違ったテーストで、僕としてはこちらの方が断然評価が高い。何しろ、ヒロインが新垣結衣だし、自閉症児とその家族を正面から描いているのも良い。日本では自閉症というと引きこもりみたいなのを想像する人が多いような気がするので、こういう映画できちんと認識を新たにしてくれたらと思う。あと、自閉症児の演出と演技も上手だった。

ところどころで「ん?」と思う演出もあった(新垣結衣がいきなりピアノの前に座っていたところとか)し、設定的にどうかというところもあった(狭い世界のはずなのに、同級生の兄が自閉症児だと知らなかったり)けれど、総じて良い演出、良い脚本だったと思う。ピアノを含め、音も良かった。

クライマックスが映画の6分目ぐらいのところで来てしまい、あとは少しずつ風呂敷をたたむ感じ。でも、決して悪くない。

ただ、どうなんだろう。子供を中心に描いた映画だけど、子供は「暗殺教室」とかのほうが観たいんだろうな。僕なら断然本作を推すけれど、子供には「喪失感」なんてなかなか理解できないんじゃないかなぁ、などと思ったり。

ソラニンが☆2つ半、僕等がいた前編が☆2つ半、同後編が☆1つ半と、三木孝浩監督とは相性が悪くないんだけど、本作もなかなか良かったと思う。評価は☆2つ半。大人は、「暗殺教室」に行くなら、こっちを観たほうが良い。

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