2015年05月17日

脳内ポイズンベリー

30歳の冴えないおねえちゃんが20代前半のイケメン(ただし、コミュニケーション能力低め)と恋をした、というつまらない話を、彼女の脳内で演じられる5人の会議を描くことによって面白おかしく演出した映画。頭の中身を擬人化して表現するというアイデアは秀逸で、なかなか興味深い内容になっている。

ただ、非常に残念なのはメインの恋愛話が異常なまでにつまらないこと。かなりずれている感じのイケメン(なのかな?)に一目惚れして付き合い始めるという展開が全くイケてない。「そんなんだからお前はだめんず・うぉ〜か〜なんじゃ!」と言いたくなって、観ていてムズムズしてくる。また、恋愛のもう一人のお相手として登場する奴も、なんかキモい奴で魅力が感じられない。作品の半分は脳内会議に割かれてしまうので、残された時間で現実世界を詳細に描くことができないのは理解するが、それにしても、現実世界のストーリーがダメダメ。

これ、メインのストーリーをきちんと練って面白いものにできていれば、櫻井いちこだけじゃなく、早乙女の脳内編や越智編だって作れたはず。

役者はみんな良い演技をしていたと思うが、演出、特に早乙女と越智の演出は今一歩。原作に忠実なのかも知れないけれど。

余談かも知れないが、真木よう子のおっぱいにモザイクをかけたのはサービスとしていかがなものか。

場面が限定的なので、映画というよりは演劇向き。キャラメルボックスあたりがいかにも飛びつきそうな設定だが、そういった脳みそお花畑向け劇団じゃなくて、もうちょっと大人向けの演出家、脚本家で仕上げたら傑作になりそう。とにかく、このアイデアをこの程度の監督で終わらせてしまってはもったいない。

評価は☆2つ。

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