2015年06月03日

混雑し過ぎで何か間違っている鳥獣戯画展

サントリーで一度観ているし、修復が終了したといっても大きな違いはないだろうな、と思っていたけれど、サントリーの時は凄い混雑であまりじっくり見ることができなかったので、もうちょっとゆっくり観ようかな、と思って前売り券を買ってあった。京都では大混雑という噂は聞いていたのだが、さすがに首都圏の人たちは二度目だから、と高をくくっていたら、さにあらず。今回も大行列と聞いて絶望的な気分になっていた。外で2時間、中で1時間待ちという話だったので、直射日光がきらいな僕は雨の日に狙いを絞り、会館前に駆けつけることにした。それが、今日である。

夜中まで錦織君のテニスを見ていたので、睡眠時間は3時間ほどだったけれど、7:25には上野に到着。思った通り、すでに行列しているのだが、人数は80人ほどである。




ちょうど屋根のあるところに行列したので傘は不要だったのだが、ほとんどの人は傘をさして待っている。




ここで待つこと約1時間。8:30ぐらいに開場して、場所を移してまた行列である。




待ち時間の札を持ったおじさんもやってきた。80人めで、待ち時間は10分らしい。




こんなところで待たされていると蚊に刺されて嫌だなぁ、と思っていたら、「今日は準備が早くできたので、9:15に開館します」とのお知らせ。行列のみんなは喜びの声をあげていたけれど、多分そんなことは毎日言っているはず。むしろ、「できるんなら、7:00に開場しろよ」と怒りだすべき場面である。

9:00になって、ぞろぞろ平成館前に移動。




やれやれ、あと15分も待つのかよ、と思いつつ後ろを振り返るとこの大行列である。




この損失たるや、いかほどか。行列している人の半分ぐらいは老人なので、それほどの損失でもないのかも知れないが、一人あたりの生産額を1,000円/時間として、行列する時間を少なく見積もって2時間、行列した人間を一日5,000人としても、総額1,000万円/日である。会期が40日だから、トーハクだけで行列によって4億円の損失だ。馬鹿らしい。

中に入ったらそれほどの待ち時間なしに甲巻を観ることができたのだが、この時がまた酷い。「お待ちの方がいますから、立ち止まらずに進みながら観てください」とのこと。この歩かされるスピードがかなり早くて、絵の存在を確認する作業をしている感じ。観ている(鑑賞ではない)時間は全部で1分ほどだと思う。馬鹿にしてんのかよ。ちなみにサントリーの時は、この3倍ぐらいの時間は観ていられたと記憶している。おまけに、スペース的には十分なのに、会期を前後半にわけて半分ずつの展示と来た。料金倍でも良いから、全部一度に展示しろよ、アホ。これで怒り出す人がいないのが不思議で、日本人って、上手に飼いならされているなーと感心した。

ルーブルで一番混雑しているモナ・リザだって、制限時間なしでのんびり鑑賞できるし、ニューヨークのフリック・コレクションにある門外不出のフェルメールだって、観ていようと思えば1時間だって観ていられるんだぜ?それが、2時間並んで1分かよ。

クソみたいな要望がたくさん寄せられているchange.orgだけど、「鳥獣戯画を常設展示して下さい」という署名を集めるべきだろ、と思った。保存が難しいって言ったって、あれだけきちんと環境を管理して、照明を落として展示しているなら、100年や200年、展示できるでしょ?詳しくは知らないけど。もう、行列が一切なくなって、誰でも好きなときに観ることができるようになるまで、常設で展示したほうが良いでしょ。国宝なんだから。




choju


観た時間が短すぎて内容は忘れちゃったので、常設展示の自在動物たちを観て怒りを鎮めた。

























気分的には、老猿な感じで、トーハクを後にした。




追記(20150604 14:33)
なんと、先週の日曜日は「じっくり観たい方は一歩下がって観てください」というのがあったらしい。昨日はそんなの、なかった。同行者にも確認したけれど。日によって二列鑑賞制度があるというのが本当なら酷いぞ、トーハク。酷すぎる。日によって運用が異なるって、金返せレベルだよ。超むかつく。

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