2015年07月09日

百日紅

sarusuberi


子供の頃はインターネットなどなかったから、情報は限られていた。作家や漫画家の顔は本の表紙の裏に載っている著者近影ぐらいでしか見ることがなく、その中で個人的に好きだったのが柴門ふみと杉浦日向子だった。本作は、その杉浦日向子の代表作、百日紅のアニメ化である。

脚本は悪くないと思うのだが、冒頭からまずキャラクターデザインと声優の「これじゃない」感が強い。絵の作りも、スクリーントーンの使用を抑えてペンで書き込む杉浦日向子の特徴が反映されておらず、雰囲気が違う。ここまで変えるなら、もっと全面的に独自色を出せば良いのに、そこまでの覚悟が感じられず、色々と中途半端なのが残念。Production I.Gの製作とあってもっとCGっぽいデジタルな作りかと心配していたのだけれど、結構アナログ感があって、そこだけは救い。

絵作りだけではなく、主役お栄の声をやっているのが杏というのもマイナス。マニアックな映画なので、ちょっと有名俳優を起用したぐらいで観客動員が大幅に増えるとも思えず、役者そのものに超一流の魅力があるわけでもない。このキャスティングには首を傾げざるを得ない。

全体的に、漫画の持っていた江戸の空気感が希薄で、最後の歌がそれにトドメをさした感じ。

評価は☆1つ。

とはいえ、懐かしいのは確かなので、ちくま文庫の百日紅上下巻を本棚から取り出して、久しぶりに再読しようと思った。

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