2015年07月24日

愛を積むひと

aiwotsumuhito


北海道を舞台に家族ものを展開というとすぐに倉本聰を思い出してしまうのだが、そのマンネリを許容してしまうだけのパワーがあるから驚く。やっていることは丸太小屋を作るか、石垣を作るかの違いなので、全くの焼き直しなのだが(笑)、米国人にとっての西部劇のようなもので、自然がたくさん残っている北海道に行って、時間をかけてdo it yourselfするのは日本人にとって非常に魅力的な素材なのかも知れない。またかとは思うのだが、それでもなぜか許してしまう。

起承転結の「転」によってストーリーは色々と転換していくのだが、そのひとつひとつのエピソードがなかなか良く出来ていて、不本意ながら(笑)、一々感動してしまうのが悔しい。

個人的には「青春の門で杉田かおるの裸を見た役者」というカラーが抜けない佐藤浩市だが、すっかり老け役が板についてきたことに驚く。まだ50代半ばだよね?個人的にはタコとやった女優というカラーが抜けない樋口可南子が好演していた。HEROでようやく顔を覚えた北川景子はもうちょっと頑張って欲しかったけれど、その分柄本明が大活躍していたのでそれほど気にならなかった。役者がなかなか頑張って見えたので、監督の腕が良いんだと思うのだが、誰なんだろうなぁと思ったら、良い素材だったはずの「武士の献立」をありきたりな作品に仕上げてしまった朝原雄三だった。武士の献立に比較したら、演出、脚本ともにずいぶんと腕をあげたと思う。ただ、「今度捕まったら警察だ」というセリフはおかしいし(笑)、脚本自体は凡庸だと思う。

エンドロールで佐戸井けん太の名前があったけれど、どこで出てきたっけ?

事前予習なしで観たほうが良い。

期待していなかったけど、十分楽しめた。評価は☆2つ半。

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